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2024年02月06日19:19

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本●「新宿警察」

本●「新宿警察」(報知新聞社)
藤原審爾・著

読了。11編の短編集。
358ページながら、2段組なので、おもいのほか読み応えあり。
お目当ての「新宿警察」シリーズは3編収録。
シリーズ第1作となる表題作の「新宿警察」と映画『人間標的』(1971)の原作「復讐の論理」が面白い。
「新宿警察」は巨漢の仙田をリーダーとする刑事部屋の面々が、女性を狙った連続硫酸魔事件と若妻バラバラ殺人事件の捜査にあたるなか、オカツという一本気なズベ公が巻き起こす騒動が同時進行するという、いわゆるモジュラー型ミステリー。
エド・マクベイン「87分署」シリーズに影響されたといわれるが、それよりも、のちの大沢在昌の人気シリーズ「新宿鮫」の第1作と雰囲気が似ている。
「新宿警察」の実質的な主人公・根来刑事と、彼に逆恨みする脱獄犯との緊張感溢れる対決を描く「復讐の論理」を読むと、映画化された『人間標的』がやっぱり見たくなる。どこかで上映してくれないか。
おしまいのほうに「前夜」という20ページほどの小品があった。
場末の電気屋のおやじが、じつは名うての殺し屋で・・・・というスト−リー。
読んでるうちに、あれっ!?とおもった。
もしやとおもいウィキペディアを検索すると、市川雷蔵&森一生監督の大傑作『ある殺し屋』(1967)の原作だった。
なるほど、「ある殺し屋」というタイトルの小説ではなかったのか。
ところで、「前夜」には映画で雷蔵が繰り出す殺しの手口がどこにも出てこない。殺し屋の凄味という点では、映画のほうが上。
ああ、『ある殺し屋』も見たくなってきた。
ちなみに映画の続篇『ある殺し屋の鍵』(1967)も同じ藤原審爾の「消される男」が原作だという。
とりあえず読みたいのだが、なにせ古い作品で短編だろうから、どんなタイトルの本に収録されているか分からない。うまく見つかればいいのだが。

と、ここまで書いてきて、えええ????
となるような記事がネットにあった。
どういうことかというと・・・・これは、また別の機会に。



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