映画日記『ビヨンド・ユートピア　脱北』

２０２４年１月２１日（日）

『ビヨンド・ユートピア　脱北』（２０２４年）
監督：マドレーヌ・ギャビン
伏見・ミリオン座

脱北をめぐる明暗のドキュメンタリー
困難の末にようやく韓国へたどりついた老婆が、こんな婆さんになってからではなく、もっと若い頃に脱北しとけば、おしゃれが楽しめたのにと語る姿が印象に残る。
暗に、私だって若い時はブイブイいわせてたのよと、言ってるみたい。
いっぽう、先に韓国へ逃れてきた母親が、最愛の息子も脱北させようと手を尽くしたあげくの結末に暗澹となる。
ひとことで脱北といっても、中国を皮切りにいくつもの国境を越えるという、とても複雑なルートをたどることを初めて知った。
本作の冒頭でチラリと触れられているが、朝鮮半島が分断したそもそもの原因は日本にある。どうしても複雑な思いで見ることになった。