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2023年07月19日22:46

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映画日記『警視庁物語 全国縦断捜査』

2023年7月19日(水)

『警視庁物語 全国縦断捜査』(1963)
監督:飯塚増一
アマゾンプライム

絞殺のうえ顔面をつぶされ、ガソリンによって黒こげとなった死体が発見された。
現場に落ちていたベルトのバックルから、加害者が沖縄と接点を持つ者である可能性が浮かびあがった。部長刑事が沖縄へ飛ぶ。
しかし、復帰前の沖縄で警視庁の刑事に捜査権がない。
地元刑事の手助けを受け、捜査を進めていくひとりの男が浮上した。
ところが、事件は思いがけない展開となり・・・・

タイトルから想像した通り、いつもより長い1時間22分。
ロケ地が沖縄、四日市、八郎潟、全国縦断捜査の名に恥じない。
特筆すべきは、復帰前の沖縄にカメラを持ち込んだこと。
たしかに観光スポットは登場するが、いっぽうで、きちんと沖縄の苦しみを伝えている。
四日市では建設中のコンビナート工場が出てくる。
すでにぜんそく患者はあらわれていたが、四日市公害訴訟が開始されるのはもう少し先だ。
八郎潟はまだ埋め立て工事中、しかし、農地開発の裏側で追い立てられる漁民がいることも劇中できちんと示していた。
当時の社会矛盾を随所に織り込んでいることもあり、シリーズの第21作目というのに、まったくマンネリ感なし。
隠し撮りみたいなラストの上野駅での張り込みシーンは見どころだった。
『男はつらいよ』シリーズと同じで、こんな人が脇役で出てるのかと驚いたり、同じ俳優が違う役柄で何度も登場して、おもわずニヤリとなる。
水泳コーチ役で無名時代の室田日出男が出てきた。ちゃんとセリフもあった。
わずかな出番ながら、貧しい農婦役で二度目の登場となる岩崎加根子が印象にのこる。
そして、中原ひとみ。
かつてのアイドル女優が、よくもまあこんな悲惨な役を引き受けたものだ。
上司からの命令で、苦悩のどん底に落ちてしまった彼女を見守ることになる、刑事役の山本麟一の姿とあわせ、なんともやりきれない結末だった。



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