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2023年07月07日23:30

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映画日記『Pearl パール』

2023年7月7日(金)

『Pearl パール』(2023年)
監督:タイ・ウェスト
名駅・ミッドランドスクエアシネマ

ときは第一次大戦にアメリカが参戦したころ、片田舎の農家で暮らすパールは、そろそろ我慢の限界だった。
若くして結婚した夫は兵士としてヨーロッパ戦線へ。
残された家には病で身体と口が動かなくなり車椅子生活を送る父親と、なにかにつけパールに対して厳格で抑圧的な母親がいた。
こんな気詰まりな家を飛び出し、町の映画館で見た踊り子の世界へ飛び込み、国中を面白おかしく巡りたい。
そんな折、町で踊り子のオーディションがあるというニュースを耳にした。
貧しくて辛気臭い暮らしから逃げ出すチャンス!!
ぜったいにこのチャンスを掴もうと、パールはオーディション会場へ出向くのだが・・・・

昨年の夏に公開されたスプラッター映画の快作『Xエックス』に登場した、変態殺人鬼老婆パールの若かりし頃を描く一編。
中盤近くまで、あまり動きのない展開で、これはハズレかなとおもった。
ところが、パール扮するミア・ゴスの長セリフを長回しで撮るシーンから熱を帯びてくる。
お約束のように、農具のフォーク差しや切断首がゴロリという残酷シーンが登場するが、いずれもたんたんとした描き方だ。
ただし、スプラッター映画らしい派手さがまったくない、たんたんとしたところが、妙に引っかかる。
つまり、残酷シーンが笑いにならないのだ。
あきらかに前作とは雰囲気が違う。
まるで先日まで見てきたロバート・アルトマン監督の『イメージズ』や『雨に濡れた舗道』に連なるような抑圧された女性の悲劇みたいな作りだ。
見どころはヒロインを演じたミア・ゴス。
もし、小学生の頃に何も知らされずに本作のミア・ゴスを見たら、確実にトラウマになったとおもう。
この歳になれば、さすがにトラウマにはならないが、彼女のことは、ずっと記憶に残りそう。
映画の初めと終わりが昔の映画風になっていたのも見どころだ。


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