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2023年05月10日22:52

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映画日記『黒の斜面』

2023年5月10日(水)

『黒の斜面』(1971年)
監督:貞永方久
岐阜柳ヶ瀬・ロイヤル劇場

男のカバンの中には、会社から支給された土地開発に絡む工作資金3000万円の札束が詰まっていた。
男は羽田から大阪行きの最終便に乗る予定だったが、偶然空港で浮気相手の女と出会い、そのまま彼女の部屋へ。明日いちばんの便に乗ればいい。
ところが、彼が乗るはずの旅客機が三河湾沖で墜落してしまう。
彼は死亡したことになり・・・・

すぐに名乗りをあげればいいものを、愛する妻に浮気がばれてしまうし世間体も悪い、さらには会社の金を持ち逃げするつもりだったのではと会社からはにらまれる。
それだけではない。ひょっとしたら、これまでとは違う人生を歩めるかもしれない。
単調ながらも順調に生きてきたひとりの男に魔がさした一瞬を描く。
魔がさす、というのは確かにある。
本作の「魔がさす」が大なら、私のなんかは極小、それでも具体的なことは控えるが、魔がさした結果というのは大小にかかわらず、恐ろしいものだ。
男を加藤剛、妻を岩下志麻、浮気相手が市原悦子。
名優3人による豪華な「2時間ドラマ」といったおもむき。
とんでもないドンデン返しがあるわけでもなく、結末も良識の範囲だ。
ということで、ミステリー的な要素より、公開時30歳の岩下志麻と35歳の市原悦子、ふたりの女盛りを見る映画。
むんむんとする色香ただよう岩下志麻にクラクラする。
よくエロ小説やピンク映画で喪服姿の未亡人がどうのこうのというが、本作の岩下志麻を見て納得した。
対する市原悦子がじめっとした日陰女を演じる。
男をつなぎ止めるための狡猾さと愚かさが同居する。
彼女みたいなのを深情けと言うのだろう。
見ようによっては、映画女優と新劇女優のタイマン勝負。
女優ふたりの共演というより、文字通りの競演だった。


映画のあと、先週に続き金華山へ登った。
今回は足もとをハイキングシューズで固め、先週の「七曲がり」コースより難度が高い「めい想の小径」コースに挑戦。
たびたび「めい想の小径」コースは登っているが、そのときの身体の状態の良し悪しが如実にあらわれる。
本日は、ここ数年のうちでは上出来だった。
さて、次はどこを歩こうか思案中。


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