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2023年05月07日19:36

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映画日記『警視庁物語 深夜便一三〇列車』

2023年5月7日(日)

『警視庁物語 深夜便一三〇列車』(1960年)
監督:飯塚増一
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そろそろコンタクトレンズが巷に出回りはじめ、陸運の主役がトラックでなくまだ鉄道だったころの物語。
貨物列車の巨大ターミナル駅、東京の汐留駅で大型のジェラルミンケースに詰め込まれた女性の死体が発見された。発送元は大阪の天王寺。
さっそく警視庁の刑事たちが夜行列車に飛び乗る。
彼らは大阪の刑事たちといっしょに、被害者の身元と荷物の発送人を捜しもとめるのだったが・・・・

警視庁物語シリーズの第13作目。
いつもは上映時間が60分前後の添え物映画だが、本作は80分の拡大スペシャル編。
汐留駅でケースに入った死体が発見されるというのは、あきらかに鮎川哲也のミステリー小説「黒いトランク」をなぞったものだろう。
ということで、本格的な謎解きものになるのかとおもったら、そのうちいつも通りの地道な捜査ものになっていく。
刑事たちが出前のラーメンや丼物や、アルマイトの弁当をかきこむといった、どうでもいいような地味なシーンが気分を盛り上げていく。
地道な捜査のなかで、事件の手がかりとして、当時はまだ珍しかったコンタクトレンズが登場する。そして、レンズのメーカーが名古屋だった。
とんだところで、わが町・名古屋が登場したのでびっくり。
ところが見終わってコンタクトレンズの歴史をひもとくと、1951年に日本で最初にコンタクトレンズの実用化に成功したのが、いまも本社が名古屋にあるメニコンだった。
さらには、犯人の立ち回り先として、名古屋にある前年の台風によって被害を蒙った「新田」というのも出てきた。刑事のひとりがその新田を訪ねる。
前年の台風というのは1959年9月の「伊勢湾台風」、新田というのは稲永新田のことだろう。
時間としてはわずかではあるが、被災地でロケをしているみたいだ。
たまたま名古屋が登場したので色々と自分で調べてみたが、本シリーズは撮るにあたってきちんとリサーチしてるとおもった。
まあ、当たり前といえば当たり前だが。
スペシャル編ということで、いずれもちょい役ながら、加藤嘉や稲葉義男といった名脇役たちがゲスト出演。
とりわけ、山茶花究が大阪の刑事役で登場したのにはうれしいかぎり。
山茶花究とおなじみの花沢徳衛の渋顔ふたりが、相棒となって大阪の街を歩き回るシーンは感涙もの。
私みたいな鉄道好きには、やたらと出てくる夜行列車のシーンも、見どころだった。

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