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2022年10月22日22:12

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映画日記『お世継ぎ初道中』

2022年10月22日(土)

『お世継ぎ初道中』(1961年)
監督:内出好吉
YouTube

東映時代劇YouTube“東映城のお姫様”特集の1本。
大川恵子に続き桜町弘子登場。

伯父の急死によって、ひょんなことから貧乏藩のお世継ぎになった若殿・松平忠信が主人公。扮するは若き日の里見浩太朗。
家老の内膳によれば、藩の窮状を救うには、亡くなった先君が決めていた莫大な持参金つきで嫁入りする本田家のさつき姫と忠信の縁談がうまくいくことに掛かっているという。
こんな貧乏藩に嫁ぐとは、よっぽどのオカチメンコの売れ残りにきまってる。
少々ガックリする忠信だったが、あにはからんや、さつき姫はめちゃ可愛いお姫様。
ただし、必要以上に気が強く、そのうえわがままという、性格の悪いじゃじゃ馬姫だった。
いっぽう、かねてよりお世継ぎ問題で謀略をめぐらしていた江戸家老一派が若殿の命を狙っていた・・・・

大笑いの明朗ラブコメ時代劇。
もちろん、桜町弘子がじゃじゃ馬のさつき姫を演じる。
めいっぱい性格の悪そうな目をするのだが、そこがまた可愛い。
おきゃんな下町娘も良いが、絢爛衣裳のお姫様もよく似合う。
まさに東映城のお姫様だ。
正直、映画史に出てくるような映画ではないが、その底抜けの明るさと楽しさがまぶしいくらい。
家老を演じる柳家金語楼がテレビの人気番組を模したジェスチャー芸と、茶川一郎のアチャラカが懐かしい。
さらに思いがけない人が登場して驚いた。
忠信の命を狙う、とんまな浪人たちが出てくる。
その浪人たちの中に、てんぷくトリオの伊東四朗と戸塚睦夫と、吉本新喜劇の財津一郎がいるではないか。
戸塚睦夫は変わらないがが、冒頭のクレジットで伊東四朗は「伊藤証」、財津一郎は「財津肇〆」となっていた。
ウィキペディアによると、この三人は、同じ浪人役を演じていた石井均が座長をつとめる一座の仲間だった。
石井均(いしいきん)といえば、子どものころよくテレビで見かけた。大きな口が売り物だった脇役のコメディアンだ。しかし、本作の頃にはもっと人気があったみたいで、添え物映画ではあるが、東映で主演作を数本撮っている。初期の山田洋次監督作にも出ていた。
その石井均一座が解散し、戸塚睦夫と伊東四朗が三波伸介と「てんぷくトリオ」を結成するのは本作の直後だったという。

閑話休題。
女旅芸人に扮した当時の人気歌手・藤本二三代(ふみよ)と里見浩太朗がデュエットで歌って踊る。
藤本二三代という歌手は、名前だけうっすらと記憶していたが、ちゃんと見てその歌を聴いたのは初めて。シュッとした美人だ。
ラストで若殿がさつき姫にラブソングをプレゼントして「終」となる。
その歌のメロディが、吉永小百合と浜田光夫の日活青春映画みたいだったのに驚いた。本作の音楽が吉田正だった。
あらためてこういう昔の日本映画を見てしまうと、「歌あり踊りあり映画」というのは、インド映画の専売ではないような気がする。



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