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2022年06月27日23:04

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映画日記『彼女たちの革命前夜』

2022年6月27日(月)

『彼女たちの革命前夜』(2022年)
監督:フィリッパ・ロウソープ
矢場町・センチュリーシネマ

舞台は1970年のロンドン。
年に一度の「ミスワールド」コンテストが近づいてきた。
世界各国から選出された美女たちがロンドンに集まってくる。
今回のゲストはアメリカの喜劇王ボブ・ホープだ。
いっぽう、女性解放運動の活動家たちは「ミスワールド」粉砕の計画を進めていた。
コンテスト当日、変装して会場にもぐりこんだ活動家たちが、ボブ・ホープが放ったひと言をきっかけに、一斉に決起した。
壇上に押し寄せる彼女たちが、ボブ・ホープへ、ミスコンの主催者たちへ、そして女性の声を無視する世の男たちへ、怒りの声を上げる。

「恥を知れ!!」

実話を元にしてるというが、まったく知らなかった。
女性解放というテーマは社会派だが、平易な語り口で、テンポ良く引き込まれていく
クライマックスの決起シーンで、おもわず拍手しそうになった。
生真面目なキーラ・ナイトレイと、やんちゃでイケイケのジェシー・バックリー、この活動家コンビがとてもいい。
調べたらジェシー・バックリーという女優さんは数本見ていたが、本作で初めて顔と名前を覚えた。
本作は活動家たちだけでなく、コンテストで競い合う女性たちにもカメラを向けていた。
華やかなスポットライトを浴びる彼女たちにも、葛藤がある。
カリブ海の島国グラナダからやって来た女性はコンテストをチャンスに、自分の夢を叶えたい。しかし、彼女の肌は白くない。
南アフリカからやってきた黒人女性は、アパルトヘイトについてしゃべると帰国できないぞと、政府から脅されていた。
ミスコンひとつとっても、必ず政治が介在している。
ということで、ミスコンを壊そうとする女性たちとミスコンに出場した女性たち、両者のバランスをとった、ある意味とても優等生的な映画だ。
しかし、そこに不満はない。
ラストで語られる彼女たちのその後を見ると、ミスコンに出た者も、壊そうとした者も、女性としてあの時代に立ち向かった、いわば戦友だったことが分る。
その中で、ただひとり、自分が発した言葉のどこがダメで、どうして女性たちが怒っているのか最後まで理解できなかったボブ・ホープに苦笑い。
日本にもボブ・ホープみたいな元首相がいた。
優等生的と書いたが、批判すべきところはきちんと、そして辛辣に批判している。
痛快な1本、面白かった!!



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