明日の食卓おもしろかった。過保護とか愛情というよりも、過度の愛着を感じ、それは自立をさまたげるのではとも思ったけれど、作品のイシュー提起としてのものごとは母性や衝動だろうから、そのことからは目はそらそう。凶悪事件かサイコが表されるものと思って観始めたけれど、ママさんたちの生活世界が貫かれる。観る前に、あらすじや内容の情報は避けてさっといくつか観賞者のレヴューを読んだけれど、子育てを終える前にしていたことがすべて表されていたというのが印象に残り、そうした意味での日常がざっと貫かれているセンスにも感じられて観てしまう。彼女たちの生活世界に衝動が起こるのは不思議ではないしナチュラルであるし、それが不幸を招くこともある。ストラクチャー的に、生活世界に不穏が歪みを与えるのは、息子の学校での暴力事件、弟の登場、そして旦那の失業であるが、それでもLife Goes On、リズムが変化することはないのがいい。頬っぺたをひっぱたいて、お互い泣き出し、誤解が解かれ、諭され、絆が深まる、が、時代的にもハラスメントとなり無理だろうし、映画的にはドラマティックでもほんとに絆が生まれるの?ともなる展開がなくてよく、尾野真千子はこの子は優しいと言い続けるのは、心を鬼にしてドラマ的展開も行えないヒトもいる現実において現実的であり、その表現はおもしろかった。ちょっと予定調和的なキレイさがあるけれど、でもまとまり方はすんなりに思え、ストラクチャー的破綻を意図して目指す作品が多い昨今においては、新鮮にも感じられるものある。
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