言い古された格言だが、
雨が降ると、砂漠のような大地も引き締まる。
ウクライナへのロシアによる軍事侵攻は
予断をゆるさない状態だが、NATOを始め
自由諸国は、一枚岩に固まり対抗しようとしている。
ウクライナ侵攻の当初、
NATO諸国のうち、ロシアの資源に依存している国は
様子見を決めこんでいたようだ。
ロシアと天然ガスのパイプでつながっている
ドイツにいたっては5000個のヘルメットの支給をする程度で、
お茶を濁そうと思っていたふしがある。
しかし、ゼレンスキー大統領の
EU諸国は、人命よりも経済を優先するのかという
悲痛な叫びに、まるで頭を殴られたように覚醒した。
その結果、利害を超えて一段となって経済制裁に踏み切り、
ドイツは手のひらを返したように高性能の武器をウクライナに送った。
グローバリズムによる経済的な結びつきは
相互にウインウインになるが、ひとたび事が起きると、
その結びつきがタイトなほど、歪みが顕在化する。
ロシアの権威主義と、NATOの自由主義の違いが、
まるで水と油のように、鮮明に浮き彫りになっている。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、
資本主義経済による行きすぎた成長主義の弊害を、
例えば自国主義などを白日にさらし、
一時的にせよ、欧米をひとつにするバネになったようだ。
まさに雨降って地固まる、
その格言通りになりつつある。
ログインしてコメントを確認・投稿する