2022年2月21日(月)
『マヤの秘密』(2022年)
監督:ユバル・アドラー
伏見・ミリオン座
ところはアメリカのとある住宅地、ディズニー・アニメの『眠れる森の美女』(1959)を見に行くというセリフが出てくるので、その頃の話。
今は平和に暮らす主婦のマヤが主人公。
ルーマニア出身のマヤは、戦争中のヨーロッパでナチスドイツの兵士からレイプされ、妹と引き離されてしまった。
戦後から時間が経ち、ヨーロッパから遠く離れたアメリカで暮らすマヤが、忘れもしないレイプ兵士と遭遇する。
マヤは男を拉致し、地下室に閉じ込めてしまう。
マヤは夫とともに、男に戦時中の罪状を認めさせようとするのだが、彼はドイツ人ではなく、スイスからの移民であると訴える。
はたして男はナチのレイプ兵士なのか?
それともマヤの狂気が生んだ妄想か???
スッキリしない映画で、後味が悪い。
まあ、それが狙いだろう。
そして、いわゆる「反ナチ」の映画ではないとおもった。
的外れかもしれないが、見かけ上の平和な暮らしが、かなり危ういバランスの中で成立していると言ってるみたいな感じがした。
ここ数日間、「平和の祭典」と戦争の危機を伝えるニュースが同じ量で流れてきた。
よくよく考えると、私たちの今の暮らしも、じつは危ういバランスの中にあるのだろう。
見どころは、ヒロインのマヤを演じたノオミ・ラパスのどこか病的な熱演。
彼女の出演作をすべて見てるわけではないが、好きな女優さんのひとりだ。
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