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2022年01月31日23:58

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映画日記『丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる』

2022年1月31日(月)

『丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる』(1989年)
監督:石田照
駅西・シネマスコーレ

丹波哲郎特集の1本。

国際的な心霊学会へ出席するために、若い学者が車を運転していた。
ところが、同乗するアメリカの女性学者が、途中で見つけた和傘屋で買い物をはじめてしまった。こんなところで道草してたら学会に遅れてしまう。
若い学者が焦り気味に運転していると、いつのまにか舗装路が断崖を走るせまい未舗装の山道になり、突然目の前に路線バスがあらわれた。
接触した車とバスは、山道から谷底へと転落してしまう。
学者ふたりも、バスの乗客たちも・・・・みんな死んでしまった。
だが、気づくとみんな生きている。
はて、これはどうしたことか????
そして、ここはどこなのか????
やがて彼らは知ることになる。
そここそが、死んだ人間の魂が集う大霊界だった・・・・

珍品だろうと覚悟して見に行ったら、やっぱり珍品だった。
中川信夫監督の『地獄』(1960)と、某教団の宗教科学映画を足して割ったみたいな感じ。
シーンごとに丹波教祖の説明が入る。これが私のようなボンクラにはかなり難解。
必死に食らいついていくうちに、館内の心地よい暖かさとあいまって、しばし昇天してしまった。
そんな按配だったこともあり、何をどう言ったらいいのか困ってしまう。
ただ、見どころはいくつかある。
大霊界のやさしい顔した閻魔様みたいな役で、若山富三郎が登場したのにはびっくり。
エンドクレジットに、ゲストとして千葉真一と野際陽子の「キーハンター」コンビの名もあったが、ふたりの出番は、私が昇天中のことだったみたい。これは残念。
珍品なので、低予算かとおもったら、そうでもない。
車とバスが崖から転落するシーンは、ミニチュアなく本物を使って撮影している。
迫力のあるシーンだ。
特撮シーンもふんだんに出てくる。
さほど凝ったものではないが、たとえば霊界の女性たちが天女みたい空を飛んでいくシーンなどは、なんか良いんだよね。

この日記を書くために、帰宅して本作のことを検索してみた。
『丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる』はこの年の興行ランキングで第9位のヒット作だった。その後も2本の続篇が作られたというから驚きだ。
本作は、丹波哲郎が製作・企画・原案・脚本・出演および総監督をつとめている。
彼自身のベストセラー本に便乗したキワモノ映画であり、霊界巡りという奇っ怪な見世物映画だ。
その成り立ちにあらためて目をやると、本作を製作中の丹波哲郎の中に、大蔵貢が率いた新東宝晩期の血が流れていたような気がしてならない。



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