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2021年11月15日23:12

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お引越し


お引越し、おもしろかった。彷徨い、そしてそこで出会う祭りの炎はきっと、100万回リハをして見える、そして相米が望むものなのではなかろうか。ナチュラルにさせるためにリハを繰り返すではなく逸脱した違う次元のものをそこに在らせたい。役者はそれを見る。

子供は調和のとれた世界を見る。しかしそれは狭い世界でしかない。親のことで翻弄される、というより、野放図な無軌道な嘘、それは夢の中にあるような。橋の下でうずくまり、そこから山の中へ。おめでとう、それは田畑が、大人になる、と約束した、嘘から生まれるまこと。


かつて観たときは、優しい方に騙されるように、父に感情移入したのではないかな。でも、ヒスな母親だけれど、桜田はとても綺麗に思えた記憶である。そこに人間を感じたのかな。今回は、どっちが悪いとかは決めつけられないけれど、桜田と同じショートカットの後輩の奥さん、桜田、そして田畑の女性に相米は心情を寄せているのだろう、となる。後輩、後輩に似ている田畑の幼馴染の男子、そして中井は優しくとも、いくぶんか弱く、そして時にはいくぶんか卑怯にも表される(坂田三吉や清水次郎長は決してそうではなかったと思うけれど、俺じゃないよ、とか、言い訳とかは、ほとんどの男性特有の男性性に思える)。最終盤の岸からの声かけ、或いは電車のなかでの会話も、そうした心情なのかな、となる。ところで、相米慎二は薬師丸だけではなく、キョンキョンも桜田淳子もだけれど、ある意味、多くのアイドル映画をやっている。偶然ではなく、確信犯的にキャストしているのではないか。

講堂で観る児童映画のような出だしだけれど(ただし製作費ががぜんかけられたそれ)、ガラスを破る血だらけの手、キャリーのラストシーンのような衝撃。やはり児童映画の様相でぜんぜんそうではない。けれど、子供目線はこの作品にも、他の作品にも多く有るように思える。大人映画の魚影の群れも、やがて宿される夏目のお腹の子供が見る夢のように。



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