2020年1月7日(火)
『殿さま弥次喜多』(1960年)
監督:沢島忠
大阪新世界・日劇東映
八代将軍は紀州か尾張かと世間が大騒ぎをしている最中に、とうの紀州と尾張の若殿ふたりが堅苦しい武家暮らしを抜け出し、弥次さん喜多さんとなって江戸へやってきた。
ふたりは美空ひばりが筆をとる江戸の瓦版屋の世話になる。
ところが将軍の座を狙う悪党一派が若殿ふたりの暗殺をくわだて、さらには若殿に逃げられ右往左往する紀州と尾張の家臣たちが入り乱れ、花のお江戸は上を下への大騒ぎ。
さて、その結末やいかに・・・・
もう60年も昔の映画なのか。
中村錦之助も美空ひばりも、若くて元気だ。
今から見るとたわいのないものだが、画面の中に多幸感が満ちていた。
子どもの頃に、父親に連れられて見に行った、明朗な東映時代劇の典型みたいな1本だ。
あらためて、時代劇はこうでなくちゃ!とおもった。
何が「こうでなくちゃ」かというと、画面いっぱいに通行人が溢れている。
それも、驚いたり騒いだり喝采したりと、ちゃんと芝居をしている(ように見える)。
多くは大部屋と呼ばれた無名の役者たちなのだろうが、画面の厚みや躍動感になっていた。
映画もドラマも、いまの時代劇に人が溢れてごった返すような光景を見ることができないのが、ほんとうにさみしい。
続いて、もう1本見てきた。
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