飛行機から出て行こうとする山田孝之には、愛が勝つ、ってより未練が勝つといった印象だったけれど、その後の最終盤は何かしら良さを感じさせてくれた。行ったことないけれどハワイはいつまでも&いつでも夢の場所であり、女性がイケメンと出会って嘘でもいいからの恋におち、旅行話を聴いた男友達から理性的にそれはどうのこうのと説教めいたこと言われても、つまんねこいつ、と男友達が思われるぐらいの、ハワイはいいとこいつでもらっしゃい、加山雄三や憧れのハワイ航路の頃から変わらずドリーミーなトポスなのである。ガラパゴスな日本列島にとってもハワイは南のディズニーランド、嘘でもいいのこの夢を、をハワイは感じさせてくれる。『50回目のファーストキス』、福田雄一の虚構に見い入りおもしろかった。オリジナルとはストーリー違っているのかな。違いがあるからよかったのかな。前半は、体をのけぞらせながらムロツヨシや佐藤二朗が「○○かーい」というような、小劇場的な福田雄一のいつものノリについていけなかったし、オリジナルはストーリーがどうのこうのというよりあれはアダムサンドラーの映画なのだ、という感覚があり、これではボブホープの映画を東宝が翻訳して高島忠夫を主演にキャストする日本映画にしか見えない、となるも、百合を渡す後半のところから、良さを感じてきて小劇場のノリも気にならなくなっていった。まわりがゴチャゴチャなサーカムスタンスでも、長澤まさみの不変の美しさが作品のトーンを秩序立てる、オリジナルは、プレイボーイが愛を知り誠実さを示して真人間になる、いかにもアメリカ映画らしいノリだけれど、あれはあれでソッと現れるアダムサンドラーが良かったが、福田雄一ヴァージョンは完結しすぎだけれど、それでも”好き”ってことはなにかをソッと分からせてくれる良さがあるのであった。
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