2019年5月29日(水)
『動物園』(1993年製作)
監督:フレデリック・ワイズマン
今池・名古屋シネマテーク
家族連れの小さな子どもたちでにぎわう、マイアミの動物園にカメラを持ち込んだ作品。
芸達者な象たちのショーが楽しい。
サイの水遊びというのを初めて見た。
その水遊び中のサイの耳が、ピクピクと動いて、とても可愛らしい。
ゴリラがキングコングみたいに胸を叩いてポコポコと音を立てる映像も初めてだ。
と、愉快だったのはここまで。
サイの出産が始まる。
生命誕生の感動的なシーンと思いきや、産み落とされたサイの赤ちゃんがピクリともしない。死産だったサイの赤ちゃんに、さらに苛酷な運命がまちかまえていた。
可愛いうさぎの頭を飼育員のお姉さんが鉄棒で、ぽこんと殴る。
この時点で、いやな予感。
お姉さんが、まだ痙攣してるうさぎを投げ込んだ小部屋には・・・・
そして、まもなく65歳になる私でさえトラウマになるようなシーンが出てきた。
いやあ、まいった。
と、テレビだったら絶対放送できないシーンの連続だったが、不思議なことに見終わったら動物園に行きたくなる。
フレデリック・ワイズマン監督は面白いなあ。
『基礎訓練』(1971年製作)
監督:フレデリック・ワイズマン
今池・名古屋シネマテーク
アメリカ陸軍の新兵を鍛える訓練場にカメラを持ち込んだ作品。
時代はベトナム戦争のまっ最中だ。
『動物園』が凄かったので、人間の、それも軍隊なのだから、どんなことになるのだろうとおもったら、まあ、想定内だった。
『フルメタル・ジャケット』などの戦争映画を見てるせいかもしれない。
ひとつだけ、驚いたことがある。
新兵たちに、まず歯磨きの仕方を徹底的にレクチャーしたこと。
昨年読んだ「日本軍兵士」という本に、旧日本軍には歯科医師が少なく、戦地で多くの兵士たちが虫歯で苦しんだというくだりが出てきた。
戦闘中に歯が痛み出したらと、想像するだけで嫌になる。
日本軍のような精神論ではなく、虫歯予防に歯磨きを徹底しておこうという、アメリカ流のプラグマティズムを見るおもいだった。
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