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2019年05月27日00:11

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映画日記 『大学 ─ At Berkeley』

今日見た映画は上映時間が4時間だった。
正直、見るのをためらった。
しかし、7月に予定している北海道旅行には、バスに3時間半乗りっぱなしになるコースがある。
これも予行演習とおもい、見に行った。

2019年5月26日(日)

『大学 ─ At Berkeley』(2013年製作)
監督:フレデリック・ワイズマン
今池・名古屋シネマテーク

映画ファンにとってカリフォルニア州バークレーといえば、映画評論家の町山智浩が在住しているところだ。
そのバークレーにある有名大学のカリフォルニア大学バークレー校にカメラを持ち込んだ作品。

冒頭で女性の教授だろうか、学生たちに向かって「バークレーで学ぶとはどういうことか?」と述べた言葉の主旨が、東大の入学式で上野千鶴子が語った内容とほとんど同じだった。
それは、最高学府で学んだことを多くの世間一般の人たちのために活かせ、ということだった。

大講堂での講義や、小部屋で討論を繰り広げるゼミみたい授業風景はもちろん、大学幹部や職員たちによる運営会議、学内のホールでの音楽会など、カメラは丹念にバークレー校で起こっている日常を撮っていく。
昨日見た『肉』を「経済」の映画と書いたが、『大学〜』でも「経済」がキーワードのひとつだった。
カリフォルニア州の財政悪化にともないバークレー校でも、運営資金が足りず「合理化」や「学費値上げ」が避けて通れない問題として浮上する。
大学幹部の多くが、60年代、70年代をリベラル派として学生運動を担ってきた人たちだ。
そんな幹部たちが、いまは学生たちの矢面に立つことなった。

日本と同じように、学費ローンに苦しむ学生がいる。
学費値上げに反対する学生集会の場に、チャドル姿のイスラム系の女性がいた。
いっぽうで、バークレー校では退役軍人を学生として受け入れるプログラムがある。
リベラルな校風といわれるバークレー校でも、アフリカ系に対する差別は隠然とあるようだ。
アメリカの一大学に、今の世界の縮図がある。

そんな中にあっても、バークレー校はアメリカ社会の貧困層や、アジアやアフリカの国々から多くの学生を募ろうとしていた。
しかし、現実には資金不足という厳しい壁がある。
バークレー校は、そんな壁にもめげず、国籍や肌の色や宗教の違いを超えた学生たちが、自由にキャンパスを闊歩する風景を夢見てるのかもしれない。

色々な想像が頭の中をよぎる。
とても刺激的な1本だった。


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