mixiユーザー(id:6810959)

2019年05月14日00:04

116 view

映画日記 『スパイ』

先週末の日曜日は、久しぶりに岐阜・柳ヶ瀬のロイヤル劇場まで足をのばした。
映画の前に、3日前に満開になったという金華山のツブラジイを見物。
ここ数年、山吹色になる金華山が、初夏の楽しみだ。

フォト

金華山山腹の緑に、ツブラジイの山吹色が混在していた。

フォト

もこもことしたツブラジイの群落越しに見る金華山の岐阜城。

フォト

小さな花が開花したツブラジイ。

金華山を満喫して、ロイヤル劇場へ。


2019年5月12日(日)

『スパイ』(1965年)
監督:山本薩夫
岐阜柳ヶ瀬・ロイヤル劇場

韓国の学生運動家・李が命からがら日本へ密航してきたが、結局は大村収容所送りになってしまう。
ところが、李は脱走してしまった。
ピンときた、東京の中央新聞の社会部記者・須川が大村へやって来た。
所員にきくと、李が脱走した日、収容所に警察庁外事課の鵜崎という警部が訪れたという。
警察庁に顔のきく須川は不思議におもった。
自分が知る限り、警察庁に鵜崎という人物はいない。
所員があらためて、警察庁に確認すると、やはり鵜崎という人物はいなかった。
とすると、鵜崎とは何者なのか?
そして、李の脱走との関連は?
須川はさっそく真相を探り始めるが、そこには“日本の黒い霧”がたちこめていた・・・・

前日に見た『白い夏』と同様に、初めて知るタイトルだ。
公開当時、ベトナム戦争や日韓基本条約締結と、社会が大きく揺らいでいた時代の映画だ。
今から見ると、北朝鮮の帰国事業については無批判で、いっぽう朴政権下の韓国に対しては、批判的だった。
山本薩夫監督の政治的立場を考えると不思議でもなんでもないが、本作が独立プロの自主上映映画ではなく、大映マーク付きで上映されたということに、当時の情勢がうかがえる。
ちなみに同時上映が本郷功次郎主演、村山三男監督の『あゝ零戦』という戦記物という、妙な組み合わせだった。
ただ、ウィキペディアで村山三男監督を検索すると、「へえ」というような記事が次々と出てくる。
さらに彼が監督した『樺太1945年夏 氷雪の門』の項に飛ぶと、本作の山本薩夫監督の名前がヒール役として出てきた。

本作を「社会派ミステリー映画」として見ると、ヘンにひねったところがなく分かりやすい。
拾いものの1本だ。
娯楽映画監督としての山本薩夫の手腕が光る。
山本薩夫監督が『白い巨塔』(1966年)の前年に撮っていた作品。
主人公の新聞記者・須川を、『白い巨塔』でもきわだっていた田宮二郎が好演。
冷酷な中谷一郎と、薄幸な小川真由美も印象に残る。


9 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年05月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031