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2019年05月06日23:59

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映画日記 『春の夜の出来事』 『風船』 『乳母車』 『ペパーミント・キャンディー』 

大阪出張、2日目。
「京マチ子映画祭」に続いて、「芦川いづみ映画祭」だ。
うれしくて、涙がチョチョ切れる。

2019年5月4日(土)

『春の夜の出来事』(1955年)
監督:西河克己
大阪九条・シネ・ヌーヴォ

1本目から飛ばしてくれるぜ!!

大金持ちの会社社長(若原雅夫)が身分を偽り、貧乏人に扮して高級リゾートホテルにやってきた。
彼の会社が主催した広告コンテストに偽名で応募し、2等に当選したのだった。
1等の青年(三島耕)もやってきた。
彼は母とふたりの貧乏暮らし。宣伝の才能はあるが、なかなか職に就けないでいる。
しかし、明るい親おもいの好青年だ。
そこへ社長のひとり娘(芦川いづみ)が婆や(東山千栄子)を引き連れ乗り込んできた。
年の瀬の高級ホテルで始まるドタバタ劇と、その顛末とは・・・・

娯楽映画なので想像通りに、めでたしめでたしのハッピーエンドが待っている。
能天気な映画だが、いまの時代から見ると、その能天気さがうらやましい。

ホテルの仮装舞踏会に、芦川いづみがピーターパンに扮して登場する。
芦川いづみのピーターパンを見るだけで、大阪までやって来た甲斐があった。
彼女だけでなく、東山千栄子の珍妙な仮装にも大笑い。
大笑いといえば、本作の音楽を担当している黛敏郎が本人役で登場する・・・・とおもったらというギャグにも大笑いだった。

ほんとうに楽しい1本だった。


『風船』(1958年)
監督:川島雄三
大阪九条・シネ・ヌーヴォ

見るのは2度目。
初見はテレビの映画専門チャンネルだった。
じつは、このとき初めて、芦川いづみに胸がキュンとなった。
森雅之が主演ということになっているが、ほんとうの主役は芦川いづみであることは、誰の目にもあきらかだ。

余談がひとつ。
本編の中で、京都のバーでホステスをつとめる左幸子を、森雅之が訪ねるシーンがあった。
そのバーの名前が「おそめ」だった。
「おそめ」というと、あの「おそめ」のことか?
で、その「おそめ」のシーンに富士額(ふじびたい)のママさんが登場する。
ひとことふたことのセリフもあった。
もしやとおもい帰宅してから、ネットで検索したら、実際にバー「おそめ」で撮影し、登場したママさんは女優さんでなく、本物のママさんだった。
ママさんの名は上羽秀(うえば ひで)。
彼女は『夜の蝶』(1957年)で、山本富士子が演じた京都と東京のお店を切り盛りするバーのママのモデルだ。
しかし、それ以上に藤純子の父親で、のちに東映のプロデューサーとなる俊藤浩滋の同棲相手だった人だ。
その伝説のママさんが、映画に出てたんだ!!
ちょっぴり感動してしまった。


『乳母車』(1958年)
監督:田坂具隆
大阪九条・シネ・ヌーヴォ

こちらも見るのは2度目。
芦川いづみもいいが、石原裕次郎がすばらしい。
1950年代の石原裕次郎は最高だ。


『ペパーミント・キャンディー』(2000年)
監督:イ・チャンドン
大阪十三・シアターセブン

3月に見たばかりだが、上映されていると知って、無性にもう一度見たくなった。
いい映画は何度見てもいい。
今回も犯人逮捕のために地方へ出向いた警官役のソル・ギョングが、雨降る夜に酒場女と一夜を過ごすシーンとその切ない結末にグッときた。
ひょっとしたら、その後の人生が変わったかもしれない夜というのは、誰にでもある。
「ああ、あのときに・・・・」と、そんな夜を思いだして、悔恨のため息をついてしまった。
翌日も強行スケジュールなので、お酒は飲まないつもりだったが、飲むしかないよね。



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