先週に続き加藤泰作品を見るために、今日も大阪へ遠征だった。
2016年10月16日(日)
『緋牡丹博徒 お命戴きます』(1971年)
加藤泰:監督
大阪九条・シネ・ヌーヴォ
加藤泰監督による『緋牡丹博徒』シリーズ作品は3本ある。
そのうち『〜花札勝負』と『〜お竜参上』はこれまで幾度となく見ているが、もう1本の『〜お命戴きます』は、どういうわけか見る機会がなかった。
上映機会が前2作より少ないことがその要因であると思う。
『〜お命戴きます』は、足尾鉱毒事件を想起させる“公害問題”が舞台背景になっていた。
公開当時、やくざ映画に政治的なものを持ち込むのはいかがなものか、といった批判があり、加藤泰作品としては低い評価になってしまったことが、上映機会の少なさにつながっていたと思う。
ようやく公開から45年にして、初めて見ることができた。
むしろ、現在のほうが、本作の輝きが増している。
今は、鉱毒とは違う形で、大地を汚してしまった。
大地を汚し、さらに臆面もなくその愚行を繰りかえそうとしている輩に、お竜が手にした短刀(ドス)の切っ先は今も向けられている。
私にはそう見えた。
傑作!!
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