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2016年01月13日00:40

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本●「一両列車のゆるり旅」

本●「一両列車のゆるり旅」(双葉文庫)
下川裕治:著

読了。

ちょくちょく鉄道旅行に出かけるのは、若い頃に読んだ宮脇俊三の「時刻表2万キロ」に影響されたため。
もうひとつ、内田百けん(けんは漢字で表示されません。門がまえに月です)の「阿房列車」シリーズにも感化された。
その後も、いわゆる鉄道エッセイを読んではいるが、これは面白い!!、とうなずける本と出会えることはなかった。

たまたま見つけた「一両列車のゆるり旅」が、「時刻表2万キロ」に近い味わいで面白かった。
著者の下川裕治は、格安海外旅行の先駆者のひとり。
彼のアジア貧乏旅行記は何冊か読んだことがある。
海外旅行専門と思っていた下川裕治が一転して国内旅行、それも鉄道旅を書いている。
しかも、本書に出てくる鉄道旅のほとんどが青春18切符を使ってのものだった。
私も青春18切符派なので、うれしい限り。

本書には、ちょっとだけ映画の話が出てくる。
鉄道と映画といえば、やっぱり高倉健主演の『駅 STATION』になる。
『駅 STATION』で健さんと倍賞千恵子が一夜を過ごすのが留萌であったと書いてあった。留萌かあ、行ってみたい。
それに続いて・・・・・

終わった後、「ねえ、私、大きな声ださなかった?」
と倍賞が口にする。高倉は黙っていたが、倍賞にきこえないよう、
「樺太まで聞こえると思ったぜ」と呟く。高倉にこのセリフをいわせる倉本聰の脚本が光っていた。

思わず膝を打つくだりだった。
私も「樺太まで聞こえると思ったぜ」は、大げさに言えば日本映画史に残る名セリフと思っている。

下川裕治という人は、奇妙なくらいに私と趣味が同じだ。
文庫のとびらの著者略歴を見たら1954年生まれとある。
なんと同年生まれだった。





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