映画を見ない日の出来事　６４

仕事帰りに、春の青春１８切符を購入。
中断していた西国三十三カ所巡りの再開だ。
去年の元旦、那智の青岸渡寺を皮切りに三十三カ所巡り始めた。
秋には満願になると思っていたが、十五カ所しか巡ることが出来なかった。
今のペースでいくと３年かかることになる。

以前、足摺岬に行ったとき、バスが発着する中村駅で、ひとりの老人に出会った。
バスを待っている私の目の前で、痩身白髪の彼が、自転車を組み立て始めた。
輪行だ。若い頃、自転車乗りだったので、いくどか輪行をしたことがあった。
組み終わった自転車は、立派なロードレーサーだった。
バスが来るまでやることもないので、興味深げに自転車を眺めていたら、老人から話し始めた。
「自分は思うことがあって、四国八十八カ所巡りをしているのだが、なにせ７０歳近い身なので、いつお迎えがくるか分からない。急いで八十八カ所を巡るために、自転車を始めた」と言う。
そのとき、いつかは自分も自転車で四国を回ってみたいと、ぼんやり思った。
あの日の老人との出合いが、西国三十三カ所巡りのきっかけだった。

しかし、八十八カ所どころか、三十三カ所でさえ手こずっているようでは前途多難だ。
そうはいっても、少しずつこなしていくしかない。
今春は、とりあえず姫路方面にある二つの札所を訪れる予定。

ついでに映画も見ておきたい。
あれやこれやと、スケジュール作りに頭を悩ませそうだ。