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2021年01月31日23:26

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見聞録135

まだ観てないけれど、去年の後半に録画したのは恋する母たちとルパンの娘。現在はタイトル忘れたけれど菅野美穂が出てる奴。正月は檀れい目的で当確師、でもって、武井咲と仲里依紗目的ではなく黒革の手帖。連続ドラマのときは観てないけれど、なにか廓とか夜の世界には憧れがあるので。川島雄三や吉村公三郎の夜の蝶などからの影響か、イマヘイかな。或いは日活ロマンポルノか。鈴木清順からかな、、。当確師を観る。2時間ドラマとか久しぶりに観る。おもしろかった。美しき隣人の頃とは違って檀れい、おばちゃん感覚もあって生活の匂いも感じさせながらも、やはり宝塚、ここぞとばかり堂々とした存在感。キャストしたのはなるほど、香川照之とわたり合える。


むかし書いたのです。

『美しい隣人』覚え書き(1)
『美しい隣人』である。第1回、大阪にいる仲間由紀恵と東京の彼女、、実は双子か!?と思ったが、第2回で大阪と東京を行き来していると判明。でも、それは嘘で、ペルソナ的な人物のシスがやはりいるのではなかろうか?もしかしたら、双子ではなくて、おそ松くんのように五つ子なのかもしれない。大阪には1人の仲間由紀恵がいて、あの黒い窓の隣の家には4人の仲間由紀恵がいる。最終回、犯人が判明するより、ジャカジャカいでたる仲間由紀恵の方がコワいかもしれない。5人の人物を演じ分けるのは役者冥利に尽きると、彼女はこの仕事を引き受けたのかもしれない。でも、コワい。
   第1回、蛍の餌になる虫の話しているとき、あの謎の青年が登場し、終盤、蛍が出てきて明かりを生む話を仲間と檀がした。あの青年が蛍たる仲間と檀に喰われ(=犯人として証明され)、ホームに光が射すのか、そうした伏線が描かれたのかと思ったけれど、あの少年はたぶん違うだろう。まさか、あの檀れいが犯人で、目を真っ赤にさせ包丁もって追いかけるオンナに豹変するの?これは個人的にタブーである。池につながる川にいる元一世風靡セピアの武野功雄はサングラスをかけていて怪しい。でも、人を見かけによって判断したらいけない。大阪に行った隣の夫婦も怪しい。もしかしたら鈴木砂羽が化粧して仲間由紀恵のようになって、あのバーにいたのかもしれない。誰だ、犯人は?もしかしたら、渡部篤郎が最終回、女装して現れ、包丁もって追いかけてくるのかもしれない。しかし、椎名桔平だったらそういった役引き受けるだろうけど、渡部篤郎はそこまでの変態はNGだろう。謎が深まるばかりだ。
 仲間由紀恵は何者だ?潜入捜査官か!?
   第1回の仲間由紀恵、ただ復讐のため来たでなく、謎をおびき寄せるためにやって来た探偵風にも思えたが、どうなのだろう? 黒髪の怨霊としてでなく、ちゃんとヒューマニティーも表されていて、仲間のイメージが壊されることなくあるなと思っていたが、第2回では怨霊的なものも出てきている。果敢な挑戦だ。でも、今までのイメージが壊され怨霊のイメージがつき、『らせん』の佐伯日菜子のように消えてしまうことはないだろう(それにしても佐伯日菜子、当たり役が仇となるの可哀想であった)。仲間由紀恵はジャージ着て「おい、お前らー」と言うのが合っている。
   仲間由紀恵と檀れい、石井ふく子演出の舞台に出ていてもおかしくないような演技をするこの2人ゆえ、コンビネーションがよい。これがやはり、このドラマの見所なのである。

『美しい隣人』覚え書き(2)
仲間由紀恵は駿くんと木にのぼりお母さんの檀れいに隠し事させたり、そのうち、渡部篤郎に浮気かその一歩手前までなことをさせ、ホームの中に嘘を生もうとしているようだが、ドラマによくあるパターンと言えばそうだけれど、やはり仲間はミンナの仲間でも潜入捜査官でもなく、悪いオンナなのか?それにしても、檀れいの丸みがある女体はエロい。そんなことはどうでもいい。ここで問題とされるのは、誰が疑わしい人物であるかだが、第一回の夏祭りで檀れいを轢きそうになった自転車の女性エキストラも怪しい。なぜ、あんなに自転車を飛ばしていたのか?でも、最終回に彼女が出てきても視聴者は誰も覚えていないだろう。疑惑は深まるばかりである。CMの小雪も怪しく思えてきたし、駿くんのおじいちゃん役の左右田一平がかつて出演していた時代劇の主人公、栗塚旭も怪しく思えてきた。栗塚旭が京都で営んでいるカフェは繁盛しているのだろうか?こんど京都に行った際には覗いてみよう

『美しい隣人』覚え書き(3)
「女優片平なぎさ論」を刊行し大儲けを企む。本の帯にはキャッチ・コピー!これだ!!、「なぜ名取裕子はサスペンスの女王になれなかったのか!?」。コンピューターをオン、そしてディスプレイに向かいキーを叩こうとするも、フと思い出す、「オレは2時間サスペンス、あまり見たことなかったのだ」と。2時間サスペンス・ドラマの構造自体、まったく分からないのである。書こうと思い立った矢先の頓挫、、、刊行第2弾にと考えていた「“本田博太郎”という存在」も同じ理由で挫折である。もうけ話、泡と消える。
  『美しい隣人』である。CMの仲間由紀恵と田村正和の謎めいた会話も怪しいが、それ以上にやはり、小雪の「バファリンから風邪薬」の連呼ますます怪しく思えてきた。この謎めいた言葉、なにか『美しい隣人』の隠された謎と関係があるのだろうか?バファリンカラカゼグスリ、、一種のアナグラムなのだろうか?  バファリンカラカゼグスリ、バファカラリングスカゼリ、バフカカラァリングスリゼ、、どう並び替えても、オレの原始人の脳ミソではこの謎が解き明かせない。しかし、この言葉、あながち無視をするわけにはいかないかもしれない。かつて、プログラム・ピクチャーはスポンサーの要求に応えて、映画のシーンで商品を登場させ、登場人物は商品名を言いながら使用した。バファリン・クライアントも製作サイドにドラマにバファリン出すように要求するやもしれぬ。製作サイドも「え〜〜〜〜!?」と最初は戸惑いつつも最後には「やってみましょう!」と言うだろう。『美しい隣人』、仲間由紀恵はいつものように人んちに勝手にあがりこみ、風邪引いて寝込んでいる駿くんの部屋に入り込み、でもって、バファリンの箱を顔の右側に近づけ「バファリンから風邪薬」を連呼しながら、彼に近づくかもしれない、、、コワい。
  『美しい隣人』である。仲間由紀恵はやはり二重人格者なのだろうか?それとも、高知東生がついた嘘が彼女の家庭を崩壊させたのか?だから仲間は、幸せそうな檀れいのホームに嘘をはべらかしたいのか?マイヤー沙希はきっと、嘘が嫌いで、でもって完全主義者でマメな女性なのかもしれない。だから、許せないことがあったのかもしれない、、、赤いジャージの仲間に合う。しかし、正義の取り違えが此処で起こるのかもしれない。
  水に浮かぶ子供の死体、そして仲間の手を切った痛みと駿くんの水のなかでの踏まれた足の痛み、、痛みが分かち合えるとき、最終回のそのとき、仲間に母性が目覚め、駿くんの代わりに水死し、うつ伏せになって池に漂う彼女のまわりを蛍が飛ぶのか?しかし、長い黒髪のうつ伏せの水死体、ちょっとグロい。仲間の事務所側はNGであるだろう。ならば仰向けなら、ジョン・エヴァレット・ミレーが描くオフィーリアのようにキレイで、事務所側もGOサインを出してくれるだろう♪ でも、こうした最終回にはならないと思う。
  前回の終盤、仲間と檀が話をするシークエンス、檀の心理をコントロールしようとする仲間を檀の後方から捉えたショット、檀の後を右移動し再び仲間を捉える。なにかの変化が生まれる。その後、檀の表情が捉えられない。左側を見せ立つ姿とかそういったもの、、、檀は無意識ながらも、仲間に違和感を持ち始めているのか?そろそろ檀の反撃開始か?しかし、バーベット・シュローダーの『ルームメイト』的な惨劇もカーティス・ハンソンの『ゆりかごを揺らす手』的なカタストロフィーも、いまのところまだなにも起こってはいない。仲間がつく嘘はせいぜい、ストレスがたまった女性がキッチンドランカーか万引きする代わりに志向する嘘程度のものでしかない。しかし、仲間も檀もハリウッド的なこれ見よがしで派手なサイコ・サスペンスだったら断っており、ジトッとなる心理の動きだからこそ引き受けたのかもしれない。
  仲間の包帯、なかなかヨカッタ。白い柔らかさになにかエロを感じる。椎名林檎や世間にいる包帯フェチがサッパリ理解できなかったが、前回のあの白に一瞬感じてしまった。しかし、そこまでのフェチにはならないだろう。なったら大変だ!大学病院にいったらあちこち包帯だらけ、そんなとこで欲情したらみっともない。包帯は愛を引き出すのかな?渡部篤郎が巻く仲間の腕の包帯、、、こんど身体中グルグル巻いたミイラ男になって、バーのカウンター、1人でお酒を飲むことにしよう。クール・ビューティーが声をかけてきてくれるかもしれない

『美しい隣人』覚え書き(4)
とうとう佳境か?ほとんど何も起こっていないが、、、。小雪を怪しんだら、CMがなくなった。姿を消したのだ。ますます怪しいっ!! 怨念めいているが、『美しい隣人』はきっと80年代のトレンディドラマ以来の男女の三角関係愛憎が表されるだけであり、猟奇殺人などないのだろう。大阪でオンナといるのを見た鈴木砂羽も、たぶん「死ねっ」とは電話で言っておらず仲間の代わりに疑いをかけられる藤井美菜も殺されることはないだろう。ただアンダーニースに表されるオンナのコワさがジトッと表されるのが、他の男女の関係表すドラマとの違いなのかもしれない。昼メロの荒唐無稽さがない分、みんなが観る夜の時間、このドロドロは特定のマニアだけに向けられたものではなくなるのだろう。こういったドラマが主流になるとは思えないが、できれば『東京ラブストーリー』のリメイク、、「かんちっ」と言ってしゃしゃりこんでくる鈴木保奈美を寂しい表情の下ジトッと恨む有森也実主演ドラマを製作してもらいたい、、、たぶん観ないと思うが。
   高知東生、今回いいのでは?今まで、ベランメー調の元ヤンな感じの役ばかりだったが、今回は東映の主人公の如く、土下座して我慢に我慢を重ね、そろそろ正義が爆発しそうである。一方、仲間由紀恵、ますます赤ジャージが似合う風采になっている。しかし、ホームを乗っ取ろうと、エプロン姿にママ妻姿で表面を装う。カフェのシークエンス、子供への想いを言う仲間に高知は「君はそういったヒトではない」と言い放ったが、彼女は(環境がそうさせたでなく、元々のDNAがそうさせる、つまり生まれもった)“心のないヒト”なのだろう。三池崇史か黒沢清ので、たしか“心のないヒト”を描いたものがあったような気がしたが、、、なんだったっけ??それはそうと、仲間の能面、彼女もそうだがカメラ・オペレーターも上手く表現している。
  高知東生、我慢重ねる東映の主人公の如くであっても、加藤泰の主人公と違って、瞼の裏には愛する人の憧憬はなにもないようである。カフェで仲間と対峙していても、はよ全部を終わらせたいようなのだ。全部なくなりそうなのは、昇進が決まっているようである渡部篤郎。このヒト、キャラ的に巻き込まれ善人が合うのかも、ヒッチコックのそれのように。ママゴトしてるとき、駿くんは家庭にウンザリな表情見せるが、そうした所作に表される家庭やこの現実世界からの逃避願望が、渡部篤郎に掛け合わされる。隣からの手のオイデオイデ、清順の如し。“心のないヒト”の家は川の向こうなのか。子供が死んで、彼女も死んでいるのか?Anyway, 渡部の現実世界からの逃避願望、恐怖によって充たされるだろう。
  そして壇れい。仲間に違和感持ち始める意識の運動、、、一見ハッキリ主張しなさそうでも、ちゃんとするオンナを演じるには、古風と宝塚華麗さが身に備わる彼女に適役である。今後、ただの三角関係トレンディ・ドラマ怨念味添えのみに進むのか?それとも、鈴木砂羽は血だらけになって心斎橋に吊るし上げられ、藤井美菜は通天閣に串刺しにされるのか、それともそれとも、ラストは仲間と壇がライト・セーバーを持って川岸で闘うのか、それが蛍のヒカリの如くに、、、さてどうなるのか、今後を追って行きたい

『美しい隣人』覚え書き(5)
花粉症で目が痒い人のための目を洗う液体のCM、あー痒い、目を取り出して洗いたい、と言っているが、オレは花粉症でもなんでもないんだけれど、目を取り出して洗うこと、なんだか気持ち良さそうに感じる。最近ちょこっと目にカユミがあるのだが、突然発病する花粉症の前触れなのか?幾人のヒトの話を聞くかぎり、発病なんか決してしたくない。今年は大丈夫でも、来年あたりには発病しちまうのかな、、、不安である。来年に備えて、発毛剤を鼻ん穴んなかに垂らすの続けようかな。来年の今頃は鼻毛ボーボーになって花粉が身体んなか入ってくるの予防してくれることだろう。ありがたい。鼻だけでは足りないかもしれないから、耳んなかにも入れて川内康範になることにしよう。
  さて「美しい隣人」である。前々回のラストの方、仲間由紀恵は赤ジャージが似合う彼女らしく、正直に不倫相手は私だと言っていた。先が読めない展開になってる、と思ったけれど、あれって、あと数回のエピソードしかないから、終盤にもっていくための台詞でしかないように、そのあと観ると思ってきてしまう。前回、壇のMでありながらのS、仲間のSでありながらのMが出てきたけど、それを押し出して欲しいが、、あの成り行き、ドラマの構造的には先が読めるような、、。そんな感じでいいのだろう、、、やはり全体を通して、たいしたことないドラマになるのだろうか?
   彼女自身、ダンナより駿くんが欲しいんだろうけれど、彼女自身がなぜあーした行動をするかとか彼女自身が何者かとか分からないので、ただの不条理な存在としてしか表されていない。まーそれはそれでいいのだけれど、一応、彼女が主役だろ?彼女への感情移入といった同一化が成されない。息子の死のフラッシュ・バックやなんやかんやの断片だけで、あとはそちらで想像してくらはれ、みたいな感じで、説明過多よりはいいのだが、際立つ壇れいに対し、ミンナの仲間、異様なんだけれどなんだか存在感が希薄になるばかりである。でも、彼女は川の向こうに既に旅立っているヒトだから、そうしたウッスラ感の方がいいのかもしれない。
  予告みると、あの鏡がやはり活かされるわけだけど、壇と仲間のペルソナ的意味合いを出すためなのか?なにげによくある感じであり、やはり全体を通して、たいしたことないドラマになるのだろうか?しかし、壇れいはエロいからヨシとしよう。最終回は壇と仲間でライトセーバー握りしめ一騎打ちして欲しいが、オレの期待にはきっと応えて紅であろう「美しい隣人」である。

『美しい隣人』覚え書き(6)
小雪どころか、皆CMからいなくなってしまった、ぽぽぽぽ〜ん、、こんにちは♬、、ありがとう♪、、あとなんだっけ?、、、そんなことはどうでもいい!『美しい隣人』である。ダブしたんで2回観る。1回目は酒飲みながら観る。最終回えらい早いスピードで進んでおる、あれやこれや素っ飛ばして進んでおる、、まるで12エピソード放送されたドラマのダイジェスト版かのような疾走感である、等との印象であった。ラストのマイヤーサキの家での2人の会話、さすがの仲間と檀でも、台詞に演技が負けてしまっている、演技がついていけてないとも思った。でもって、おまけは、あの青年の役割、ケッキョクのとこなにがなんだかなんのこっちゃ分からない、、そんなこんなの印象がこの最終回に対するものであった。つまり、最終回、あまりオモシロくないというのが総体的な感想であった、とさ。
  2回目に素面で観ると、けっこうオモシロく思えた。加藤泰の主人公のように高知東生は我慢に我慢を重ねるわけだが、それにしても彼は、泰の主人公と違って女心を全く分かっていないのである(それにしても、高知が仲間から受ける蹴られ方なかなか絶妙であったが、もしかしたら実生活でも普通に、高島礼子からDVを受けているのかもしれない。説得力がある蹴られ演技である)。檀から質問されても「私には分かりません」と言うし、仲間からボロクソ責められるときでも、分からないの一点張りである。そうなのさ。オトコが分からないもの、それがこのドラマ・テクストの生理的なものを表すのである。この女心というものが、あのえらい早いスピードでの進行のなか、ショット間、、、行間に表されているものなのだ。女性の生理性や弱さ、、女性性そのものが『美しい隣人』なのである。さすが、『黒革の手帖』や『わるいやつら』の神山由美子である。愛憎のドロドロ上手く表されているのは当然だが、女性的な意味不明性もまたとても上手くアブジェる。心理をじっくり描く中盤までのエピソードから転じての最終回の行間の飛びまくり、女性らしいヒスをスピードにして表す。
  音楽もバーナード・ハーマンぽかったけれど、物語や映像的にも分からないとこ、謎だらけのとこがヒッチコック並に溢れている。例えば、「死ね」と受話器から出る女の声である。それを言ったのが藤井美菜なのか仲間なのかかが分からない(渡部篤郎が「君か!?」と言ったときの藤井のリアクションから察すれば、演出家は仲間が犯人だと想定して演出していると思うのだが)が、それは視聴者の想像に委ねられる、というより、行間に隠されるものである。そこに隠れた繊細さ、それがアブジェとして潜む。アブジェを体現するのは仲間由紀恵、、やはり彼女が主役であること、道理にかなっている。だからといって、「死ね」と言ったのがやはり仲間だと言っているのではない。彼女はあそこに表される女性たち- 特に、渡部篤郎と絡む女性たち、すなわち仲間、檀、藤井、そして草笛光子-を体現するのだ。だから、あの声は仲間のであっても藤井のであっても、どっちでもかまわない。オンナのヒステリックな叫びがあれには表されるのである。
                    <つづく>

『美しい隣人』覚え書き(7)
<つづき> 
  駿くんは本当のママに会いたいと言う。貴方自身の子供のときを思い出せば、子供というのは現と夢を行ったり来たりするもの、、夢遊病のように見て聞くもの信じること思い出すはず。そして、子供が不安のなか狼狽するとき、母親にはそれが伝染する。檀は伝染されたものによって、意識が腫瘍のように膨れ上がりキレる。この腫瘍はクリトリスの勃起、、檀れいの怒りは、母親というよりも、子供を持つ一人の女性としての怒りであると言っていい。女性性がヒスを起こさせるのである。アブジェが亀裂から吹き出し、エナジーとなる。ただそれを、『美しい隣人』は表す。檀のペルソナである仲間はやはり、ミンナの仲間であった。彼女に、オンナというものが持つミステリアスなエナジーが引き寄せられるのである。
  檀はいつも通りに日常の生活をこなすものの、トッド・ヘインズが描くジュリアン・ムーアの如くにとっくにコワれてしまっている。谷崎の映画化作品に表されるかのような、彼女自身によるナレーション、そこに描かれる彼女自身、、手記の如し、、。平常心を保とうとする彼女をクールに見つめる彼女自身は、実のところ、彼女の内に在る狂気を綴っているのである。このラスト・エピソードはそうやって始まり、やがて彼女の狂気のシェーマである仲間と出会うアゲイン。彼女は仲間のオイデオイデの手によってあっちの世界にいざなわれているのである。
  ライバル同士が互いを探し求める剣劇ないし西部劇のようである『美しい隣人』、、仲間が求めるのはもちろん渡部でもなく、駿くんすらでもなく、檀という彼女の一部、或いはアブジェる同一なるもの。ミンナの仲間は、それを求めて彷徨っていたのである。だから、あの青年にも見向きもせず、渡部にも執着せず、駿くんはハヤトから挿げ替えられたただの幻でしかなかったのである。仲間はただただ、丸みを帯びたエロい肉体を持つ檀に志向する。そこには確かに生が宿っている。仲間は憑衣できる肉体が欲しいとばい。それは母性、ホーム、、彼女の分身でありながらにして未だ手に得られないもの。仲間はまだホントのとこ、ホームが如何なるものかということを知らない。ラブ&ヘイトレッドが一心同体のボディのなかを巡るったい。コワかとよー。あたしゃあんなオンナ好かん、と言いつつも何故か引き寄せられる2人のオンナ。
  渡部に「これほどまでに人を憎んだことはない」と言う檀、仲間に「嫌いよ、大嫌いよ」と言う檀、ダンダダ〜ン、そりゃそうだろう、あんなことされたら誰だって!そうですたい。果たして、檀に憎しみと表裏一体に存在する愛はあったのだろうか?一方の仲間は、生々しく明るく清楚なボディが欲しいが故に檀に愛/憎しみがあるのは分かるのだが、、、。
  終盤のダイアローグ、デヴィッド・マメットないしサム・シェパード、或いは石井ふく子的な2人の大団円のラストの方、檀が言う意外でもなんでもない「貴方が愛しているのは貴方自身」にも驚いたが、「あのときの蛍キレイだったね」と仲間が檀に言うあまりにもドラマ仕立ての展開にはもっと驚いた。されど、水戸黄門的なお約束はきっと視聴者の想定内であり、だから彼らの気持ちはハーレクイン的なキレイキレイにおさまり安心すると同時にカタルシスを生むにちがいない。だけどそれよりも、仲間が言う「なんで幸せになれないんだろう」、、あんなことばかりしたら当たり前だろ?と思うが、これは理屈ではなく感覚的なもの、愛を彷徨い求める地縛霊の言葉にして普遍的な我々の言葉を表し、コワくもウツクしい。
  そしてモメントはやってくる。「なんで幸せになれないんだろう」と言ってオロオロとオロる仲間、『めぐりあう時間たち』のエド・ハリスのようにナチュラル何気に窓から落ちる。その直前、仲間が言う「あのときの蛍キレイだったね」、これこそ実はまさに、彼女が檀の心に飛び込み憑衣するモメントとなるのだ。一見ハーレクインだけど、実はヘヴィーな御言葉なのである。仲間は飛び降り、此処に表裏一体となる愛と憎しみがダンダダ〜ンと檀の内奥に宿る。仲間はタナトスを通じて生を得、檀の勃起したクリトリスが潮を吹く、、、コワかです!
   『美しい隣人』、エイハブ船長とモビーディックが闘う『白鯨』の如しと一瞬思ってしまったが、どうだろうか?そうかもしれないし、そうではないかもしれない。そのことは、あのDVDが映るディスプレイと同じなのかもしれない。檀が探偵から仲間のバックグラウンドを聴かせられるときに言うように、2人は“表面上は”一緒なのである。しかし、奥底に在るものもそうかもしれないし、そうでないかもしれない。高知が言うような分からない女性性が、その漂う液状画面の底に潜んでいる。夢に顕れるケータイTelからの声に対応するかのような黄泉の国からリアルの世界に送られてくるDVDは、(母性というよりも)女性を解くものとなる。
  夢に一回だけ出てくる仲間、、それだけで充分である。彼女の生は檀に宿ってしまっている、、美しい隣人。
                  おわり


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