九州との相性は間違いなく特上である。
47都道府県で一番飽きのない県が大分県と決めているし、どの県へ訪ねてもまだまだ行き足りないことばかり。
関東人は北海道には出掛けるが、意外と「九州」「四国」に足跡をつけていない。
関東人の初九州は修学旅行の縁で「長崎」「熊本」「福岡」が筆頭。
歳を重ねると温泉好きが嵩じて「大分」が現われて、「佐賀」「宮崎」「鹿児島」は周回遅れ。そんな感じだろうか。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1973767318&owner_id=8666179
(承前)
美山の古民家和食処《Bizanchin蔵》は、川崎からやってきた流離人の1日だけの道しるべとなった。
配膳のたびに、器が産まれた窯元が紹介される。
ただでさえ美味に見える薬膳を前にして、しばらくはお預けとなるが、目に残る器の産地は耳にも残る。
板膳の脇に置いておいた美山散策マップを脇目にチェックして、散策のロードマップが作られていく。
舌にも目にも、さらには耳にも心地の良かった食事を済ませ、まずは小雨も気にならない距離にある《ウェルハンズ》
レンタカー屋のおねぇちゃんが「ガラス工房もステキです

」と、うるんだ瞳で推奨してくれた1軒だ。
ポツンと一軒家は、陶器の工房が立ち並ぶ街並みとは違和感ある洋風。
この日は窯の熱上げの日とあって、作家さんは不在だったが店番をしていたご主人がわざわざ外から駆けつけて、商品や美山の見どころをガイドしてくれる。
きっと誰にでも同じ対応をしているのだろうが、このホスピタリティへの感動はどう表現したらいいのだろう。
グラスにも一輪挿しにも食指が動いたが、ガラス作品は山梨の友人から調達するものと決めているし、帰還中に破壊するトラウマ(※)が蘇えってきたので、話を聴くだけにしておいた。
自らが決めた滞留時間も限られている中、丁寧な応対で思いのほか時間が流れていく。

「美山陶遊館へ行けば、美山の窯元すべての作品がダイジェストで見られますよ。その中から気に入った窯元へ訪ねるといいですよ」と、ご主人のアドバイス。
おいらが一番気になっていた《ギター工房》に関しては、

「庭に手作りの4輪バギーが置いてあったり、ツリーハウスがあったり。男の夢をどんどん叶えていくような、とても尊敬する楽しいおじさんです」と、破顔一笑。
街案内には『不定休』と記されていて、ガラス工房に来る前に電話連絡してみたが不在。
寄ることをあきらめていたが、ここまで薦められたなら行かねば男でない。
躊躇するたびに背中を押す旅の神様がここには居る
レンタカーに乗り換えて、軽自動車がすれすれに通ることのできる脇道をゆっくりと進めていく。
人っ気のない庭へ乗り込むと、4輪バギーが3台も見えてきた
雨に濡れるツリーハウスを見上げていたら、居宅から1週間断食したイッセー尾形みたいな先生が走ってきた。
丁寧にあいさつを交わして、会話をしていると、しばらくしてギター工房まで案内を受ける。これは、ほぼ想定通り。何となくそうなるかなと感じていた。いつもそうなのだ。
クラシックギターのオーダーメイドが本職で、ストラディバリウス並みの価値を生み出しているようだ(←多分、生み出していない)。
オリジナルのギターやリュートが飾られていて、その下には4人のお孫さんの写真も見える。

「嫁いだ娘がひとり娘だったから、結婚してからあっという間に4人の子供をつくっちゃった」と嬉しそうに。
ギターに関する会話を続けていたら、「1曲、弾いてあげよう」と、自宅へとマイギターを取りに行く。
ふらりと取りに行けるほどの距離ではなく、客でもない川崎からの流離(さすらい)人にギターを聴かせてあげようとするその心持ちは、何が切っ掛けになったのだろう。
まるでドリス・ヴァン・ノッテンのあの時間にとても似ている。
タブレットをさっさと駆使してyoutubeから『カッチーニのアヴェ・マリア』をチョイスして、流れる旋律とともに二重奏が始まった。
至福の3分だった。
第1弦17フレットの『A』でさえ、揺れることなくシャープな単音を響かせる。
カッチーニを聴きながら、ベスト・ホスピタリティを受ける幸せを十二分に味わった。
BRAVO!

「せっかく来てくれたんだから、このノートに記帳していってよ

」
オリジナルギターのオーダーブック。新しいページの1枚に川オスの感想を書き残す。
きっと、このサインと感謝のワードも10年経てば、ストラディバリウス以上のお宝になるはずだ。(←ならないはず)
レストラン→ガラス工房→ギター工房。
この3つで鹿児島市へ戻る予定時間を使い果たす。
次なる目的地をあきらめ、美山散策を続けることにした。
もちろん、この選択が大正解であることは、入村1分で予想できたこと。
(※)トラウマ=スターバックス1号店で買った大型マグカップ。シアトルから川崎へ帰る時、どこかの航空会社にキャリーバッグを放り投げられたに違いない。川崎でコーヒーを飲もうと箱を開けたら、取っ手が割れて取れていた。他人の荷物を投げちゃいけないんだよ。
■JR九州「いかしゅうまい」の萬坊を買収へ 続く多角化
(朝日新聞デジタル - 11月25日 19:37)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5878099
ログインしてコメントを確認・投稿する