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2015年05月12日09:13

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邦画考26


むかし書いたのです

◆園子温
 世界に悲観し洗脳される社会で、主人公は自身の痛みを知る過程、痛みを知っている他者と同一化することができる。主人公は別の意味で、他者に洗脳されている。愛によってである。
◆豊田利晃
 パラノイアな世界で主人公は能面を貫く。その能面の裏に赤い血が迸っている。彼/彼女はパラノイアをその社会に生む人物と、未完の対局を繰り広げる。パラノイアがその社会ではタブーだから、対局は続くのだ。
◆中島哲也
 主人公は無意識にパラノイアに共同体愛を捧げレジェンドとなる。主人公のサイドキックは痛みを知る者たちであり、主人公(或いは、その社会)に母性愛を授ける。土屋アンナ、黒沢あすか、そして橋本愛である。

 「高校入試」おもしろかった。

  アラウンド2010年のこの社会、仮想現実にグローバリズム、オタクにアキバ、ネッカフェ難民にビックロと消費を狂喜する今日この頃、なんだかクラさを感じない。子供を虐待するホントのモンスターペアレントがいたり、いじめによる自殺があったりするにも関わらずである。なぜだろう。ディスプレイの中身が身体化し通じ合っているかのようにあれど、精神がフワフワとどこでもないトコロにいるからなのか。精神は代替可能。でも、消費に希望なんてアメリカのよう、明日のあの頃、その反動がコワい。ネットにだけ逃げ切れないこの身体がある。ストリートではキングギドラにリップスライムとヒップホップがポップに市民権を得る90~2010年代の頃、エヴァにリバーズエッジに洗脳に、ルーズソックスにリストカットに、トイレの花子さんや学校の怪談、都市伝説、そんなころあんなころ、ポピュリズム。ただ市民権を得たに過ぎない。そんな巷では、厭世観や見えない不安というよりは社会が社会に踊らされている感じがする昨日この頃であるが、社会はやはり心理や感情によって生まれるもの、なにかしらのネガティブなものがあった。パンツ売りの少女はバイタリティーと笑顔とは裏原に、ノワールを抱える中身を垣間見せる。マッチの火をそっとともし願い事、グロくてロマンティック。
  ストリートダンスは教育制度のもとマニュアル化、そんな感じの今日のあの頃、『自殺サークル』と『ポルノスター』を観た。おもしろかった。『自殺サークル』、ラストの電車に乗るあの少女に紀子や満島ひかりといったこの社会でぜったい死なずに生きる少女を見た。迷路的な解放である。DVD観ていると1:03のとこから1:09へといきなりのジャンプ、家族の惨劇にあった石橋凌が電話で喋っているとストップモーション、そしてコマがカカカと動きいきなりROLLYが警察に捕まっているとこに飛ぶ。ラストまで観るともともとがワケ分からない作品のようだから、ジャンプしたとこどうでもいいかと思ったものの、やはり気になり別のとこでレンタルしなおして観る。この部分、かなり重要であった。
  かつてパンツ売っていたと言うオンナノコと話したが、本当に実在したんだと思ったけれど、SEXと精神世界にも妙にくいついていたけれど、そういった年頃なのだろうと思ってハナシを聞いていた。あれから数年後、『自殺サークル』をはじめて観たわけだが、当時の現代病が、暗いのか明るいのかさっぱり分からなかったその子に映し出される。この作品での屋上のシークエンスでの女子や男子、あるいは事件を追う男たちにも表されてたけれど、男性は女性に追従し伝説に感化される。園のテクストではだいたいがそれである。リアルにリアルが起こり、人々は本当の解放を求めている。しかし、女子はそれをホントのところ求めていない。迷路的な解放は恍惚をいつも呼び覚ましている。
  『ポルノスター』、人間味は千原ジュニアに表されていたのか。内面に沸々とわく太陽肛門、なにと直結しているのだろうか。『空中庭園』、キョンキョンはラストに笑顔を取り戻し皆を迎え入れるというよりは、叫んだ後、能面な笑顔をかぶりなおし皆をカタルシス、なんだかギリシャ悲劇のよう。家族全員は鍵をもらえることはないだろう。鍵は彼女がひとり持ったまま。あの部屋で、内面にフツフツと血潮が沸く。千原ジュニアも世代交代という理由であの少年たちにボコボコにされることはあるはずもなく、的確に刺していくのだろう。彼は死なない。商業映画的にあの後の出来事をみせることは、少年保護法的にNGである。ジュニアのアップでそこは終わる。呆れた彼女はひとりグランドサマーオブラブに旅立つ。あの子綺麗だったが、みていると誰かに似ているな、そうか若い頃の水野美紀なのかと思い出してくる。後で調べると違った。現在加藤浩次の奥さんなのか。たまにタイガーマスクの仮面をかぶって出てくるあの女性がそうなのか、スケボー上手かったな(上手くやっているように撮られている)、あの仮面の下に緒沢凛がいるのかと妙に関心してしまう。『ポルノスター』、相変わらず振ってくるナイフが綺麗だった。

  ガラパゴス化しているが、その内向き加減が新しい邦画を生成している真っ最中にも感じてしまう今日この頃である。

  今回は中島作品観ていないけれど、橋本愛のファンになる。栗山千明からバトンタッチされたような役ばかりを演じている。明るい役柄も演じて欲しい。そう言えば、クロエ・グレース・モレッツもコアな役ばかり演じている。でもきっと、シシー・スペイセク譲りにPURITYがあるのだろう。




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  『自殺サークル』と『ポルノスター』、どちらにも似たようなスポーツバッグが出てくるが、あの中に入っているのはなんなのだろうか?『自殺サークル』の白いバッグ、感化されるサークルクル?山手線一周か?それともフィルム缶のフィルムか?人々は大きな物語を求めているのか?あの高校生たちは生まれた最初から大きな物語なんか知らないジェネレーションのはずなのに、、、。そもそも日本に大きな物語など最初から存在していたのだろうか?でもなにかに依拠していたい。儀式的なもの、、死への憧れ、ジュネの『女中たち』ってメイドの発想のもとなのか?『ポルノスター』の青いバッグ、キレイ/アブナイ、抗うもの、帰属できない者たちのパラノイア、、、考えるのはよそう、脳味噌がパンクしてしまう。
 『恋の罪』、『空中庭園』、『嫌われ松子の一生』、赤が鮮明に記憶に残る。
  『ハルフウェイ』よかった。購入。北乃きい、北乃きいを演じているようでありながらも、等身大の女子高校生のようでもある。ゴダールしている。岡田将生、『告白』の熱血先生よりこうした受けの演技の方がサマになる。『ちーちゃんは悠久の向こう』なにげに観ていたからかE.T.とゴーストのごちゃ混ぜみたいな意外な展開に意外と感動してしまう。
  購入していてホッタラカしにしていた『平凡ポンチ』と『かえるのうた』と『学校の階段』こんど観よう。脳味噌がPUNKしてしまう。


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