*『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance) 2014;アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)購入したので再見する。おもしろかった。オスカー作品賞を受賞したとき、こんなアート系はどちらかといえばカンヌ映画祭はパルムドール観ではなかろうか、というような作品が受賞したのが驚きであった。
*マイケルキートンはティムバートンは『バットマン』シリーズでピークとなりその後落ち目のイメージ、と、そのイメージをまんま使うこと自体が虚構と現実の揺らぎといった本作品のテーマにまずフィットする。
*虚構と現実の境界線が分からなくなったオトコの悲喜劇、というよりも、SNS投稿映像拡散によるバズるインフルエンスなども見せていきながらのリアルとハイパーリアルのアイダの揺らぎ、そしてハイパーリアルのなかで格闘するオトコのマジックリアリズムという感覚、それはラテンアメリカのイニャリトゥの肌感覚でもあろうかな、となる。
*だから、ガルシア=マルケスやルイス・ボルヘス的な文学の香りもする。また、アメリカならではな孤高の感覚は本作品にもあり、それはデ・キリコやワイエスといったマジックリアリズム的な画家が描き出すものにも通じる。
*全編ワンショット(ワンカット)のように表しながらも時間のショートカットも入れ込んだりの語り口はとても粋である。そこに掛かる元パットメセニーグループはアントニオ・サンチェスのドラムがニューヨークに奏でられるストリート感、アメリカ人らしい孤高な感覚、そして愛への欲望をかきたて表してくれる。
*SNS投稿する現代を風刺したりとアイロニー、カムバックを目指すオトコの葛藤、舞台裏というバックステージもの、そしてなにより父と娘のハナシによりちゃんとファミリーを問うイシューとあれこれ、アメリカ映画ならではなセンスはちゃんと語られしおん。
*『バベル』も『アモーレス・ぺロス』も観たことなく、イニャリトゥのテクストは今作がはじめてであり、驚いた。凄い作品だな。次回作の『レヴェナント: 蘇えりし者』も、よくある復讐西部劇なんだけれど、絵的なものに驚かされる。DP(撮影監督)であるエマニュエル・ルベツキはイニャリトゥのメキシコの盟友アルフォンソ・キュアロンは『ゼロ・グラビティ』とイニャリトゥの本作、そして『レヴェナント』の3作品で3年連続のオスカー撮影賞獲得の快挙を成している。
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