芸術祭の限界。
奥能登の現状をみると、残念ながらそう感じざるを得ない。
今年は大地の芸術祭のほか、こののちに北アルプスや岡山でも開催されるけれど、多くのマスコミが話題にするわけでもなく、著名なアーティストを呼べるわけでもない。
それはそれで、じっくりと作品が堪能できる喜びは感じられるけれど、閑散な雰囲気は「祭り」にそぐわないのは必定。
雨後のタケノコのように現れては消える自称・国際芸術祭。
瀬戸内、越後妻有。あえて言えば、この2ヶ所だけが永遠に継続できる実力を持つ。
《新潟2-2》承前
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イリヤ・カバコフをたずねて3000里

大地の芸術祭5回目の訪問にして、初めて越後妻有里山現代美術館《MonET》のみにフォーカスを集中。
『知られざるカバコフ 生きのびるためのアート』
主目的は世界初公開となるカバコフ学生時代のスケッチや多くの絵画作品。
エルンストやマグリットを見ているかのようなシュールな作品。
これが元になって大地の芸術祭、パーマネント作品へと昇華させているものもある。
新潟大tripenart で鑑賞した『人生のアーチ』
当時はコロナというものが迫っては消え、たくさんの引きこもりを生み出していた時期。
活動あるのみの旅人にとっては、毎週のようにどこかへ出掛けていくほど、超越した時期でもあった。
イリヤ・カバコフ。ウクライナ出身。
パートナーであるエミリアとともに、現代アート作品を多く世に出し、特に越後妻有・大地の芸術祭には、シンボリックなパーマネントでもある『棚田』などを創り出してくれている。
昨年5月、イリヤは惜しくも89歳で鬼籍に入る。
ロシアによるウクライナ侵攻を、あらゆる哀しみと怒りで表現をし続けてきた。
彼の作品群が北川フラム氏の人脈や尽力により、新潟越後妻有へやってくればいつでも鑑賞することができるのだから、その功績は筆舌に尽くしがたい。
カバコフの展示室をほぼ貸切で2周回。
限られた時間ながらも、贅沢に消費する。
ウクライナに関しては、象徴的な2人の作家作品も1階エントランスに見ることができる。
ウクライナ作家であるニキータ・カダンと、ロシア作家であるターニャ・バダニナの並列展示。
ニキータ・カダンについては北川フラム氏が主宰する代官山のギャラリーでも特別展示されていた。
ウクライナに想いを馳せる特別展示は1階のみ。
階段を上がれば、いつもの MonET 常設展示。
2003年に竣工されたからこそ、まだプライスが落ち着いていた著名現代アーティストの作品群を、周回しながら鑑賞できるという贅沢な美術館。ぼくにはわかる。
『Force』
2020年ぐらいの新作だったと思う。前回訪館時に初見。
黒い名和晃平。
もちろん、犬島を向いた鹿たちも大好きなんだけれど、この黒いオイルの正直なライン。
何でもないことなのに、とにかく美しい
『遠方の声』
写真では絶対に伝わらない中谷ミチコの幻想。
丸の内に行けば必ず本物に出会うことができるのだから、三菱地所にも感謝する。
そして、MonETのシンボルであり、マスターピース。
『Palimpsest』
見学のS級プロによって「どこかの外人の作品」と言わしめたアルゼンチンチン人作家による作品。
ぼくが初めてここを訪れた2012年。
この頃は、まだ『モネ』などというフランス人に対してとても恥ずかしくなるような愛称もなく、『キナーレ』という越後弁で呼ばれていた美術館。
そこでは、ボルタンスキーがただただ古着をクレーンで釣り上げては落としていた。
本作が出来上がったのが2018年の芸術祭。
2021年の芸術祭で伝説に残る会話が産まれたのは、誰もが知るところ
2024年。
ついにエルリッヒ作品の『空の池』に阿弥陀橋が設えられて、六文銭ならぬ200円を投下すれば池の上を歩けるようになっていた。
フラム氏の構想とは違っていたけれど、3年ごとに姿を変える越後妻有。
限界集落だったこの山里を、若手アーティストの村落へと創生を果たしている。
いつまでも、続く。成功中の国際芸術祭。
ほくほく線がやってくるまで残り60分。
駅までの距離、徒歩15分を差し引いて、シャツを脱ぎ、ズボンを下ろし、パンツを捨てる。フルチンチンから温泉に浸かって、汗をかいた頭を洗い、再び温泉に浸かって、生まれ変わる。残り時間45分。大丈夫だ。
美術館に併設された『明石の湯』
至福。
■中国 国内最大級の展示会に「ミャクミャク」登場 大阪・関西万博をアピールで“訪日客増加”へ
(TBS NEWS DIG - 09月15日 17:49)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=8020833
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