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2023年09月16日18:38

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殺人狂時代


殺人狂時代おもしろかった。張りのある声の持ち主だな、チャップリン、となるも、何度かは観ているはずの本作で初めて思う。トーキーになることにネガティヴとかマルクス兄弟に「君たちは話が上手いからいいよな」と言ったということ最近なにかで読んだからだろう。グル―チョのようなオマノトぺなダジャレってないけれど、トーキーでの声の出し方を練習したからか或いは女たらしの彼ゆえもとからそうしたダンディズムな発声できるからか惹きつけられるものある。声のリズムはやはり意識はしているのだろう、コメディだもの、快調なるもの生ませている。動きもあるけれど、会話によるモーションが本作の魅力としても出ている。後半の方において、サイレントからのチャップリンらしい所作もどんどん飛び出してくる(ゆえ、サイレントでの動きは掴みづらいけれど24ビートパーセカンドの動きでは、あーそうしているのかと分かりやすくなる)。イントロデューシングされている女優さんのマーサレイ、てっきり雨のなかたたずむあの女性かと思って後で調べコメディエンヌかと驚いたら、そうではなく、あの殺そうとしても死なない女性の方であったけれど、チャップリンとのチーム・プレイ見事である。チャップリンのヴェルドゥ氏、グル―チョの堕紳士ぶりと違いリアルに即したセンスである。ユーモアもあり、スラップスティックも後半もたらすけれど、全体的にダークネスまとっている。流行りのヒッチコックに対抗するべくか、戦前からより濃くなるフィルムノワールや戦後に力強くなるニューロティックのテンデンシーにのろうとしているからか、或いは、事実としてヒトはヴァイオレントであるがゆえ病んでしまっているからなのか、人間の心の闇をまさぐる。独裁者でのラストの演説で愛が世界を救うと宣言したチャップリンであるが、戦後あれ?違うな?となったのだろう、チャップリンは愛を再考する。モダニティが人間の心を変えている。善良な一般人は簡単に解雇され、皆が金の亡者となり、それはハリウッドで活動してきたチャップリンもその軌道で見て聞き感じてきたものであるはず。近代が変えたのではなく、人間という存在が必然と変えたはずなのである。大量殺人で英雄となりひとり殺して殺人者のラベルが張り付けられる。多かろうが少なかろうが、それは罪であること変わりない。死刑台に向かうヴェルドゥ氏の後ろ姿に人間の普遍が表されている。無神論者のようであるがヴェルドゥ氏、信じようが信じるまいが贖罪は人間がもたらしもたらされているのである。



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