ときめきに死す、おもしろかった。なにかに書いてあったので、森田は涼しいセンスが好きらしいけれど、そろばんずくやバカヤローもあるからそれは気付かなかったけれど、なるほど、キッチンやこの作品、それに家族ゲームなんかもそうだし、そう見れば、ハルなんか異質ではなくとても森田芳光的なんだな、となる。軽井沢だろうか、なんか避暑地を舞台にしたジュリー、杉浦直樹、樋口可南子、なんだか南仏を舞台にしたアランドロンとジャンギャバン(或いはリノヴァンチュラ)と、女性だったらナタリードロンかナタリーバイ(ヨーロッパにも遠征していたジャクリーンビセットもいいような感じがする。アランドロンとの共演ありそうであるがどうなんだろう)の、そんなトリオの犯罪ものなセンス。天の声や未来からの指示はあるものの、ジュリーはイデオロギーをばらまいて彼の故郷をダメにした者を刺してやろうとする革命家のイメージをもたせるが、彼はときめきに向かっているのだろう。女を知っているが(後半にはそれが表される)、彼がやってきた涼しい場所では、杉浦がなにか父性的存在、あるいは家族ゲームの松田優作的な位置付けでそこにいて、しかし松田の持つパッションはジュリーに活かされていていながら、フラジャイルでセンシティヴな少年の成長物語的で通過儀礼なセンスを指し示す。この頃の樋口可南子は、いくぶん桃井かおり的な喋り方で、所作もそんな感じで、その線を狙っていたのかな。ラストの血飛沫は圧巻だっった(註1)。いろんな意味でおもしろい作品である。
註1 吉田喜重が、革命は失敗するために起こる、というようなことを言っていたけど、それを想起させる。言葉はこんな感じだったと思うけれど、正確なのは忘れた。吉田喜重がこれを知ったら、俺はそんなことは一言も言っておらん、と、お怒りになられるかもしれない。。
PS
あっそうそう、ときめきに死すは初盤の、ジュリーが駅に到着するあたりのところの、ジャンプカット的なショットの連鎖がおもしろかった。
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