娼年と彼女がその名を知らない鳥たち、おもしろかった。前者は、昼における夜の世界への就活なセンス、寺山からの影響だろうか近親相姦的愛がそこに潜在する。石田衣良だから徹底的にリサーチはしているのだろう、女性の果てしない欲望が表される。そこまでビックリする欲望ではなく有り得る欲望である。それよりもアズマくんの欲望の方が蛇とピアス的に、痛いのダメな私からすれば驚きである。アズマくんの傷は、凪待ちの先輩やフランキーに表されているような、空白の2、30年が顕れているかのように感じられる。夜の世界を他の業種と同じようなものと思えば(実際そうであろう)、この作品はそんなにセンセーショナルなものに思えるものもなく、昼も夜も分けて考えることもないだろう。それよりも、母性愛というものがやはりキーか。ラストのペギーリーの歌の締め方がよかった。彼女がその名を知らない鳥たちは主人公に絡む男たちのことを言っているのかなと思ったけれど、愛を知らない彼女が最後に感じる愛の本質を表しているものなのかな、となる。アンナチュラルなドラマティックなものゆえ、私的には、すぐに忘れやすいものになるのだろうけれど、白石和彌は映画的なドラマティックなものを表したいのだろう。スターをいつも起用するが、スター映画をつくるという感覚もあるのだろうな、となる。
ログインしてコメントを確認・投稿する