《北海道7》承前
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アートと小説が好きな人たちの通過儀礼が原田マハ
今も我がリビングの袖机に、まだページを開けていない『リボルバー』が積まれている。
彼女の小説やエッセイにたびたび現れる《中札内美術村》
鈴木京香との対談では、このように語っていた。

「私が最近よくお勧めしているのは、北海道の中札内美術村です。製菓会社・六花亭の当時の社長・小田豊さんが十勝地方の広大な森を購入されて、その中に小さなパビリオンをいくつも作ってアートを展示している」
原田マハのレコメンドにハズレがあるわけない。
今回の北海道大tripenart、目的地の一つ。
十勝に居られる時間は2時間15分。なぜなら、この美術村、閉村時間が15時と早い。
駐車場にクルマを置き、ゲートなきスタート地点へと歩き始める。
入村券売り場を探したって生涯、見つかることはない。なぜなら、タダだから。
タダ。こんな素敵な響きがあるだろうか。
地産地消のレストラン《ポロシリ》で空腹を満たし、マップを手に森の中に点在する6つの美術館を巡っていく。広大な森林に囲まれて、木漏れ日が美しく射し込んでくる。
この記憶を記録しよう
《安西水丸作品館》
村上春樹小説の装丁が有名なイラストレーター。共著もある。
芸術村のスタートとしては、とてもライトで心地よい。
因みに、廻った6館ともほぼ貸切。
数万haの土地に数えるほどの人々。北海道ならではの爽快感。
《小泉淳作美術館》
絵画の迫力はここが随一。
鎌倉市出身で、先日拝観した建長寺の天井画を描いている。
また、赤レンガの浅野先生に聞いていたけど、京都・建仁寺の天井画も彼の手に依る。
館内にはそんな天井画の大下絵をはじめ、水墨画などの大作が贅沢に展示されている。
何度も書くが、すべてタダ。そして、貸切。
原田マハ先生、信じて良かった。ありがとう。
超広大な草原に、ぽつんと野外彫刻が1つ。贅沢な風景。
《真野正美作品館》
十勝在住の画家。この地方の暮らしの断片を切り取った作品群。
お祭りの版画では、子どもたちの歓声が聞こえてくる。(←こない)
茅葺きの民家を出ると、ちょうど14時の鐘が鳴り響く。
タリンの旧市街に鳴り響いていた鐘の音を、そう、思い出さずにはいられない
《百瀬智宏美術館》
ホキでも彼の作品に出逢っていただろうか。
繊細な写実主義。作品は十勝、中札内村の風景画。
何よりも、床に映る恵まれた新緑が美しい。
ロータリーを抜けて、まるで隣村に来たような空間。
《相原求一朗美術館》
建物は銭湯《帯広湯

》の移築再生。
中札内芸術村で一番楽しみにしていた作家が相原求一朗。
この名前を自分は、原田マハの短編「幸福駅 二月一日」で見つけている。作品所蔵は女流作家の連作集『恋の聖地 : そこは、最後の恋に出会う場所』から。
美術館でこの作品を鑑賞し、そのあと、帯広空港へ戻る途上に《幸福駅》に立ち寄ること
そんな夢が叶う、忘れられない大tripenartとなった。
《小川游作品館》
西洋絵画の伝統を踏襲する『一水会』の元代表。
一水会の創立を調べてみると、石井柏亭や安井曾太郎の名が見つかった。
15時、閉村の鐘が鳴る。
プランしていたウイッシュリストは、これでコンプリート。
2泊3日の北海道小さな旅。終わりの時が近づいてきた
(つづく)
■名古屋市、「不自由展」会場を休館 事実上中止に
(朝日新聞デジタル - 07月08日 17:18)
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