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2018年06月08日16:54

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さよなら、さよならハリウッド


『さよなら、さよならハリウッド』
 知識人階層どこにでもある会話内容そのまま聴かせるだけでなく、コメディらしく誇張させ面白く可笑しく会話を表すところアレンらしいソフィスティケーション。生成における突然の人格変異はフツーに人間がいつも表すもの、それや、演技を学びに行けば?というアレンに対して恋人の女性は、私の個性が消えるでしょ?という会話も、我々の側にいる人々、或いは私たち自身がいつも発しているもの。キャンペーンで忙しいミラマックスとドリームワークスですらユダヤ人の祝日は厳しく尊守すること。全てのジョークや所作、笑えるものである。
 己が求め創造したい物語空間を造りたいけれど作れない苦悩が、いつものアレンのように、この作品にも表される。人間の出来事には常にプロセスが表されるのであり、主体的には気付かなくても、客観的にはその出来事のプロセスは、偶然にまみれていて主体的にはなにも見えてこないものなのである。
 愛がないことの苦しみ、それはアレンが敬うベルイマンだったら神の沈黙であるけれど、アレンの場合は女性の喪失によって起こる。それはエリーがハーヴェイステインまがい(しかし現在は、ハーヴェイステインがこのハルのような紳士ではないことは既知の事実となっている)の恋人となったことが引き起こしたものではあるが、総体的にみればベルイマンと同じように愛の喪失そのものがもたらす苦悩である。息子との関係性もまたその一つである。息子との愛を取り戻したとき、彼は世界が見えてくる。そしてエリーとの愛もまた、主人公に美しい世界を見させてくれる。
 呪われた作品はチミノとマリックと同じように、フランスで認められる。本人が把握できない素晴らしい愛が生まれているのである。アレンが常に彼のテクストで表すものを、より分かり易い形で表した作品である。いつ観ても面白い。





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