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2017年08月24日14:17

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見聞録23

        スキャンダラスキャッツナイト2
          箱崎水族館 8月19日
Gumi (Piano, Noise)
中村勇治(Bass Clarinet, Soprano Saxophone)
福島由美(Dance)
山本泰輔(Dance)
 
 タイトルの意味を問えば、キャッツとはジャズ演奏家を指すものらしい。その夜は山本大輔の中村勇治への語りかけ、そしてそれに呼応する中村のバスクラの息吹により始まるものであった。Gumiのメロディアスなピアノ、そしてマックは清潔さを秘めながらも疾しく、その夜をかき乱す音を鳴らす。猫が喉を鳴らすが如くに、夜が回転していく。ピアノに中村がブルージーにからんでいく。私は喉が渇くかのようなサウスなる場を感じながら、そこに誘発されていく。山本の目くるめく大胆な舞いは、彼らしく繊細に、その表情を身体から発す。彼は紐を引きながらそれを埋めていくかのように、そう丁寧に、、丁寧にしながら意識を錯乱させてゆくのだ。彼は音によっても奏者に呼応する。身体を叩き中村の音に合わせメロディを生み、足をすり、そして床が足で叩かれる。それは自身の髪の毛を引っ張りながら回転するものと等価のものとして、彼に呼応する。中村は他者となる前に、「彼」としている。エスノなコスの山本から一転し黒の衣装の福島由美は、その場に現れ、彼女の持つ白い大きな紙とともに、照明の光と影に世界を生み出す。彼女の顔の左側は闇のなか暗く染められ、対して、左手はライトに当てられ白と化す。彼女が動かす白い紙が、陰影をかき分ける。山本が身体を使って鳴らす動作とは違い、福島の鳴らす紙はバッサバッサとその場にタイムラグされる。音と音、身体と身体のズレが交錯する。その異様なモメント、Gumiは音を統合させていく。不合理という名の統合のもと、朴訥に明るいメロディが奏でられゆく。口が紙を切りバラバラに紙を千切りゆく福島のエモーションに、差同は白と黒として、ゆったりと動き続け交じり合うこと避けようとしながら、しかしながらそれでも不思議に、ふたりの女性の白は在り続けゆく。紙を千切る感情に呼応するかのような白と黒を纏うメロディが現れ、両耳を塞ぐ女に悶絶の悦楽が顕われる。中村はそこを請け負い、演者と奏者はその場を回転させる。形象としての音の表れか、山本は福島に水を与える。恵みを絶やさずに山本は手で反応し舞い続け、Gumi の音と呼応する。Gumiは奏者から演者に転じるかのようにいきなり突然に、山本の奇声に受け応え、ふたり奇声の発話を投げかけ合い、身体としてリアクションを混じあえる。そして、受けあえる。想定内でも、驚くめく瞬間だったのか。或いは、日常を超えた驚くモメントの訪れなのか。どちらにしても、彼ら四人の感情は私たちを突き放さずに、そこに留めおいてくれる。彼らは感情を綻びさせないのではなく、結び付けてくれるのである。
    『身体 /
          音 / 形象
                』
   結び合わぬものがやがて結び合わせられる。結び合わせられるとき、山本は彼の背中に安らぎ乗ったGumiをピアノの場へと運んでいく。彼女は素直に声を届ける。音はもはやそこで交流を壊さないものとなっている。水路がざわめき、山本の肩など身体の痙攣が表される。音が身体化し、仮死は即乃間、白と添い遂げる。

第一部は演者と奏者ふたりによるインターアクトは交代され展開されるもの中心とした四人のパフォーマンスの場であり、音を中心に奏でられる形のものに感じられたが、第二部は4人がほぼ一緒にその場でパフォーマンスを行う形となる。山本と福島は黒の衣装であり、照明は第一部より落とされている。第二部がはじまる。第一部の白から転じ、黒が表される。Gumiと中村が鳴らす小物のパーカッション、山本は静かに動いていく。足がベルに呼応する。四つん這いになって波のように両肩を揺らしながら現れる福島に、山本はやがて絡みだしていきそのコンタクト、演者の動きがさらに増していく。中村はソプラノサックスのふくよかな音で、ふたりを包み込むかのよう、やがてインターアクトは静かな流れのなかで激しさを積み上げていく。Gumiのマックはフューチャーイズムを連想させる音を奏で、福島は構成主義的な大理石のような身体を生みゆき対応する。Gumiと中村は音の数を減らすかのように、その空間を生む。山本と福島のインターアクトは激しさを増す。椅子を中央に置き、そこに座って丸まる福島の身体から、山本はハンカチでゴミを取り払う。福島の身体がよりはっきりと見えてくる。誰しもの隠された感受するもの、その繊細なものが立ち現れる。山本と福島、福島と山本、合気的な舞いはその後、求め合うのを嫌うかのように、そして求め合いたいことを求めるかのように表されゆく。山本は床に伏す福島から離れ、ドアをピシャリと閉め奥へと消える。サウスな熱さがやはり感じられる。私はなにか、テネシー・ウィリアムズのようなもの、熱いトタン屋根の猫のようなものを、Gumiと中村が終盤に表すブルージーな奏でに感じてしまうのであった。力果てることなくミューズは項垂れ床に臥す。彼女の身体は大理石の生命を保ち、そこにいる。幕が落ちる。4人それぞれの感情が提示された無垢な舞台であった。

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