その1.
スピルバーグは家族愛や社会のなかに育まれる愛は表わしても、男女の愛が描かれることはほとんど皆無である。そんな彼のフィルモグラフィのなかで、これは男女愛がストレートに描かれているのではないものの、愛の真心がちゃんと表わされている。そんなラブストーリー。
イーストウッドもスピルバーグと同様に、ラブストーリーのイメージはない。イーストウッドがつくった恋愛ものはこれだけではなかったかなと思われる。雨のなかに立つイーストウッド、よかった。
その2.
イーストウッド『マディソン郡の橋』
映画が劇場ではじまったとき、皆は当時ベストセラーだった原作がどう映像化されているのか気になっていたのであろう、なんだか固唾をのんでその後の成り行きを待っているかのような緊張を感じた。そのシーンと静まり返ったなか、「すいませんけど、これってマディソン郡の橋?」と言うおばあちゃんの声が響いてきた。私は原作を読んでないからさっぱり分からないが、彼女からしたらその冒頭、頭のなかにあるイメージと違っていたのだろう。原作を読んでいなかった私にとっては、この作品はとても感動するものであった。
スピルバーグ『オールウェイズ』
ジェーンカンピオンは『ピアノ・レッスン』の主人公をずっとメリルストリープに想定していたのだけれど、脚本を読んで「これは私の役よ」と思ったホリーハンターからずっと追いかけられ、最終的にはピアノをちゃんと弾けることを見せられ、ホリーを主役にキャストしたらしい。けど、メリルストリープによる『ピアノ・レッスン』も観たかったような気がする。ホリーハンターは『オールウェイズ』でも表わされるような、彼女がほとんど多く演じてきている、ちょっと勝ち気でカワイイ ヤンキー娘の方が合っているような気がする。
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