mixiユーザー(id:650777)

2023年08月17日09:38

69 view

バービー(ちょいバレ)

現在、世界中で大ヒット中の、アメリカの人気女児玩具バービーを題材にした映画を観てきた。

実際に発売されたバービー人形と同じく、医者・弁護士・大統領など、様々な職業で活躍するバービー達が楽しく暮らしているバービーランドから物語が始まる。

ある日、定番商品のノーマルバービーが体に異常を覚える。ヒールに合うつまさき立ちが出来なくなり、ふとした瞬間に死を考えてしまう。女児玩具にあるまじき不調の原因を探るため、バービーは人間世界へ向かう。

人間世界はバービーランドとは真逆の男性社会。そのカルチャーギャップの笑いがこの映画のキモであり、同時に社会風刺にもなっている。女性への抑圧を批判した返す刀で、男性社会の中での男性の生き辛さをも皮肉ってる。全方位に喧嘩を売るスタイルだが、あくまでコメディ映画。鑑賞後の気分はさっぱりしている。

60年以上の歴史がある女児玩具バービーは、時代時代の女児の夢を反映し、時に失敗企画もあり、それ自体がフェミニズムの体現であったり、同時に批判の的だったりしてきた。それは映画にも反映されており、10代の妊婦を人形にするのかという批判により発売即廃盤になった妊婦バービーや、腕を回すと胸のサイズを変更できるバービーなど、レア物バービーまでが映画に登場する。これらについては、NETFLIXドキュメンタリーの「ボクらを作ったオモチャたち」のバービー回を見ておくと、より映画を楽しめるのでお勧め。

この映画の面白さを何に例えられるか、現状なかなか思い付かないが、強いて言えば、「サンリオはよくマイメロやジュエルペットにOKを出したな」と驚くようなものか。マテル社はよくこの映画のシナリオにOKを出したもんだ。すげーわ。

マテル社の会議室にいる重役が男ばかりというシーンがあって、それは企業の男女格差への明白な批判なわけだが、マテルのCEOが純粋に、女児の夢を育てたいという思いから(ただし、キモいと言われないように気を付けて)バービー販売を推進しているのが、キモくて素晴らしい。

クライマックスでは、バービーが生みの親のルース・ハンドラー(マテル社の創設者)と出会うというシーンがあって、それはそれで感動的なのだが、ルースの「国税庁は嫌い」というセリフは、ルースが粉飾決算によって有罪となり、マテル社を追われたことを示しており、マテル社はよくこの(以下略)。

そういう尖がったギャグが満載ではあるが、基本的にはコメディ映画として普通に楽しめる。バービーに詳しくなくても、そういう玩具があるとだけ知っていれば、映画の中の情報だけで十分理解できる。冒頭でたくさんの種類のバービーが出てくるのを見てるだけでも楽しいし。

いろんなバージョンのバービーを見る面白さって、ちょっと前に公開されたスパイダーマンの映画で、マルチバースを超えていろんなスパイダーマンがそろって見られる面白さに近いかな。こういうのをゴジラでもやってほしいな。54ゴジとか84ゴジとか、メガロゴジとかVSゴジとかいろんなゴジラが一堂に会する絵面を見てみたいわ。


なお、バービーのディーザートレーラーは、本編の冒頭そのままなんだけど、この2001年宇宙の旅のパロディだけでもうめちゃくちゃ笑えるのよね。


7 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年08月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

最近の日記

もっと見る