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日記一覧

 今なら理解出来るというものがある。筆者がマニア取材をはじめたのは、もう何十年も前のことになる。何十年も前には、いくら話を聞いても理解出来ないことが多くあった。たとえば、そこに全裸の女がいるのに、その女には興味がなく、その女の下着を欲しがる

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十一月書き方課題小説
2017年11月20日00:26

 指で引けない物に手を出すな。目に触れない物に手を出すな。非道を行わず、いかさまはするな。表と裏を足して七にならないサイコロはない。  これが指引き師に伝わる言葉だった。指引き師とは、ようするに盗人のことである。盗人ながら、指引き師の称号を

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十二月書き方課題小説
2017年11月16日17:46

 化学繊維が焦げたような臭いの中で目が覚めた。寝ているのはベッドの上ではない。そもそも、最後にベッドで目覚めたのがいつのことだったのかも忘れてしまった。三日前だったか、一か月前のことだったか。左腕が触れているのはモルタルの壁。右腕が触れてい

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 筆者の作品の九割以上は喫茶店やファミレスで作られている。これは昔からそうだった。そのために、多くの喫茶店で顔を覚えられたものだった。 風俗取材を、十年以上もやっていると、同じ風俗店の取材を何度もやることになる。多い店は二か月に一度の割合で

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 思えばサロンでも、いろいろな新しい企画、新しい遊びを提案して来た。サロンの中で盛り上がり、そのまま廃れてしまったようなものもたくさんある。 創造性のない性の遊びをサロンは嫌って来たように思う。ただのエッチにしか興味のない人たちには、サロン

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 書評や映画評、ビデオ評を依頼されることがあった。筆者は基本的にそうした仕事は断っていた。小説も映画も、筆者などに何か言われるのは不本意だろうな、と、そう思ったからだ。褒めているから、薦めているから良い、と、そう言われることもあったが、筆者

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 最近の人たちは遊ぶことが出来なくなっているように思う。遊びの現場でさえお客さんなのだ。ハロウィンなどを見ていると、それを強く感じるのだ。用意してもらった場所で、許可されたことを皆でやる、それは遊びではなく、幼稚園のお遊戯なのだ。お遊戯が楽

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 さて、封印されたルポをいろいろと思い出しながら書いている内に、封印したわけでもない、どうでもいいことも、いろいろ思い出した。たとえば、話にもならない雑誌企画とか、絶対に無理な性風俗店のアイディアとか、没になったSМクラブの新プレイ考案とか

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封印したルポ(おわり)
2017年11月10日15:35

 封印された怪しいパーティの話は、まだまだ、たくさんある。今回は東京だけに限定したが、パーティとして派手なのは、大阪、博多、そして、意外と新潟だった。マンションの全てがSМクラブで、パーティの時には、マンションの共有の廊下からエレベータ、屋

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 西新宿にある瀟洒なマンション。窓から見える景色は樹木。ちょっとしたリゾート気分。しかし、バスルームに続く部屋は簡素だった。廊下から部屋の中まで安いビニールのジュータンが敷いてあり、中のソファーなどもいかにも安いビニール貼りだ。中央には、や

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 果物を食べるのがエロティックだということは知っていた。しかし、それだけだった。エロティックであることと性的に興奮し快楽に繋がることは別のことなのだ。筆者はその風変りなパーティに出るまで、完全にそう思っていた。 誘ってくれたのは、マニアイン

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「素敵な景色ね」 話しかけてきたのは妙齢な年齢の女性だった。いい加減な記憶なのだが、確か、カップルで来た女性だったはずだ。「エロ雑誌の記者さんなんですってね。ねえ、舐めてもいい」 驚いて返事が出来なかった。何の話をはじめたのか理解出来なかっ

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 あるSМクラブのオーナーに運転手として、秘密パーティに誘われたことがある。オーナーは車も免許も持っているのだが、どうやらパーティが貸別荘で行われるらしく、自分の車にはバーベキューの素材などを積み込むので、店の女の子全員は乗せきれないのだと

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 全裸の背中がじっとり湿り気を帯びてくる。汗ではない。もっと別のものが筆者の背中を湿らせているのだ。だいたい、この女はどうして、下着を付けていないのか、それが筆者には分からなかった。 膝と肘を床につけたまま、細いとはいえ長身の女を背中に乗せ

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 女王様とМ男しか参加出来ない秘密パーティがあると聞かされたのは、数十年前のことだった。筆者をそのパーティに誘ったのは、長身の女王様だった。別に彼女は本当のSというわけでもなかったし、筆者は彼女の奴隷だったということでもないのだが、とにかく

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 一流といわれるところのシティホテルのスイートルーム。そこで行われるパーティ、参加者の到着時間は、厳密に指定されているらしかった。早すぎても遅すぎてもいけないと彼女は言っていた。ホテルでのパーティなど許されているはずもなく、当然だが、秘密で

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 SМクラブの取材で知り合ったМ女に誘われて、都内のホテルでこっそりと行われているパーティに参加したことがある。取材ではない。М女の恋人という設定で参加したのだが、実際には、恋人どころか、お茶を飲んだこともなかった。そのМ女と知り合ってから

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 山荘は筆者が外見から感じたままの、小綺麗でお洒落な雰囲気のものだった。山小屋風には誂えてあるものの、中はただのホテルなのだ。ただ、受け付けのカウンターの中にホテルマンは立っていなかった。営業している様子がないのだ。 靴を脱いでロビーに上が

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 まだ、携帯電話どころかポケベルさえないような時代。筆者は山梨のどこかの駅で電車を降りていた。取材だった。駅名も覚えていない。駅前には何もなく、観光地でもないので、お土産屋のようなものさえなかった。小さな商店街らしきものはあるが、どの店も日

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 さて、企画を考えるという企画なのですから、これは六話ぐらいで終わるのが調度いいことでしょう。終わるにあたって、次の企画を決定させるというのも、これもそうすべきものだと思います。 いろいろ考えて、最後の企画から、やはり、ありそうでなさそうな

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 いつも行く深夜のファミレスに入った瞬間に違和感を持つことがあります。いつもの店員がいないのですが、しかし、そんなことはファミレスを利用していれば、そう珍しいことではありません。その度に違和感を持つのもおかしいものです。 席について見回すと

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 深夜の街を歩いていると、これは何のためのものなのだろうと思う建物を見ることがあります。水門だったり、倉庫だったり、工場だったり、宗教的な建物だったりするケースが多いのですが、中には最後まで、何だか分からない物もあります。 そういえば、筆者

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 喫茶店やファミレスには、基本的に何かを書くために入っているわけです。休息しようとか、コーヒーを味わいたいという思いで入ることはありません。そもそも、コーヒーの味など分かっていないでしょうし、コーヒーが好きかどうかさえ分かったものではないの

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 グリム兄弟は散歩をしながら童話を頭の中でまとめていたという話を聞いたからなのでしょうか。筆者は、時間が許す限り、散歩をするようにしています。これをウォーキングと勘違いされることがあるのですが、まったく違います。長い距離を歩くこともしないし

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 さて、深夜ファミレス。つなぎの企画としては、まあまあ、面白かったようで、これを長くという声もあったのですが、こうしたものは、短いのがいいように思いますので、ここは、半クルールで打ち切りということで。 打ち切ったところで、次の企画に行けると

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 ずいぶんと前の話になる。いつものように深夜のファミレスでモバイルを開いたとき、筆者の隣で店員の声が聞こえた。「あのう、何かご注文を」 いかにもすまなそうに店員は言っている。その不自然さに筆者は何かただならぬものを感じて、思わず注目してしま

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 クリスマスが近いというのに、確かに彼女は太り過ぎていた。その太った身体で、彼女の注文は少しばかり意外なものだった。「バナナパフェ」 それは、二年前の深夜一時のファミレスでのことだった。この時間にバナナパフェ。体重を気にしている筆者には意外

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 ケンカを見るのは好きではない。他人のケンカにもかかわらず、こちらも緊張させられるからだ。しかし、隣でケンカがはじまれば、これを無視することは出来ない。耳は自然と傾くものだ。耳を傾け視線は開いたモニター画面を凝視する。いや、実際には見ていな

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 キングダムが好きだ。あまりにキングダムが好きなので、あの時代の史実にまつわる本まで取り寄せて読んでしまったほど、筆者はキングダムが好きなのだ。 いつものように、深夜のファミレスでモバイルを開いた。コーヒーを飲みながら、これから書こうとする

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 こんなことがあった。深夜一時を過ぎたファミレスである。筆者はいつものようにモバイルを開いた。モバイルを開いてから、コーヒーを一口飲む、これがいつものパターンなのだ。 ところが、コーヒーを飲もうとすると、少し離れた席に女の子を見つけた。深夜

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