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2017年11月03日16:04

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封印したルポ(その3の1)

 女王様とМ男しか参加出来ない秘密パーティがあると聞かされたのは、数十年前のことだった。筆者をそのパーティに誘ったのは、長身の女王様だった。別に彼女は本当のSというわけでもなかったし、筆者は彼女の奴隷だったということでもないのだが、とにかく、身長差があるのだ。その身長の差で人は、階級を勝手に想像してしまうのだ。その上、彼女は美人で筆者はいかにも冴えないエロ本屋らしいエロ本屋だった。
 それゆえに、二人で六本木などに飲みに行くと、必ず、筆者はお付きの人扱いになった。それが嫌なので、筆者は、あまり彼女とは歩きたくなかったのだが、彼女のほうは、どういう理由か筆者のことを気に入っていたのだ。仕事柄、気が利くタイプではあったのかもしれない。性的な問題ではなく、性分がМだったのかもしれない。
 さらに、その秘密パーティに筆者を誘う理由が彼女にはあった。それは、筆者が身体を鍛えている男だったからなのだ。ようするにパーティ中の人間椅子が欲しかったのだ。そんな屈辱的な誘いに、帰りの焼肉ぐらいで乗るほど筆者は軽くない。そんな軽い男ではないのだが、しかし、女王様とМ男だけの秘密パーティというのは、何しろ、筆者の知るところではなかったのだ。だいたいが女王様などというものは、風俗嬢としての仮りの姿で、本物ではないものなのだ。ゆえに、パーティをやるにしても、それはМ男からお金を集めるための営業パーティのはずなのだ。それが、М男は無料で女王様だけがお金を払うというのだから、それは興味深かったのだ。
 その好奇心には勝てなかった。
 参加条件は全裸で女王様の椅子になれること。トイレの始末などもあったが、これは、トイレはさすがに二人きりになれるので、本気でやらなくても、彼女が上手くごまかしてくれると言われた。そこはいいのだが、と、思ったがそれは言わずに、焼肉欲しさに参加するかのようなふりをした。

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