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2026年05月28日11:00

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資生堂アートハウスとの別れ、最後の企画展 小村雪岱~2

(続き)

さて、館内に入り、日本画家・挿絵画家 小村雪岱(せったい/1887-1940)の作品を観ていく事にしよう。
企画展のタイトルは「資生堂アートハウス所蔵品展 小村雪岱~江戸を夢見る」。
・会期 3/12~6/27
会期エンドの6/27は、レポート1に書いた通り資生堂アートハウスの閉館日である。

小村雪岱という人物については、2014年11月、美術評論家 山下裕二による講演を聴いているので、下のリンクからそのレポートを参考にして頂けたらありがたい。

・「小村雪岱展/資生堂アートハウス〜山下裕二講演」(2014.11.11記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1934999829&owner_id=3341406&from=list_diary_search

こちらはは雪岱のポートレート。1936年11月49歳、東京麹町区平河町の自宅画室にて。

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本展では、挿絵原画,舞台装置下図,版画,装幀本,資生堂在籍時代の作品など140点強を展示。
彼が心中深く抱いていた過ぎ去った江戸の風俗、面影を再現した独特な世界を観る事ができる。

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邦枝完二の小説『お傳地獄』(1934-35/読売新聞連載)の一場面。
1935年頃、著者邦枝の私家版として制作された4枚組み版画より「傘」と「入墨」。細い線の繊細さ、色の鮮やかさなど、特筆されるべき出来。背景に本文を空刷りしているのが珍しい。後出の『おせん』と並び雪岱挿絵の代表作となった。
 

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没後1941~43年頃、雪岱原画をアダチ版画研究所と高見澤木版社が団扇絵に仕立てた木版シリーズより、「夜雨」と「蛍」。
屋形船の御簾の間から顔を覗かせる女。直線と柔らかな曲線の対比、船端の波のグラデーションが素晴らしい。
暗闇に舞う蛍を追う女。着物の袖をたくし上げて伸ばした腕のなまめかしさ、季節を感じさせる涼やかさ。夏帯は空押しで凹凸を作り荒い織り目を表現している。

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邦枝完二の小説『おせん』(1933/東京・大阪朝日新聞連載)の挿絵を大判に描き改めた白描画より「傘」(1937)と、木版の「縁側」(1941頃)。
画面右下、黒い頭巾を被っているのがおせん、しつこくつきまとう紙問屋の若旦那 徳太郎。傘の曲線と直線が躍動感のあるリズムを刻む。
後者は一見モノクロームのように見えるが、実は10枚以上の版木を使って、筆の調子や墨色の変化を再現している。

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雪岱は『おせん』の連載により挿絵画家としての地位を不動のものとした。
『おせん』は1934年に単行本として新小説社から発行されたが、連載時の挿絵59点は全てこれに集載されている。
 

〈付記〉
同時開催展「工藝を我らに セレクション 2026~美しく暮らす、四季のしつらえ」
2015~2023年にかけて資生堂アートハウスで開催された企画展「工藝を我らに」から、作品を選りすぐって再構築した。
正月から大晦日迄の一年の行事や室礼を再現、生活の中での工藝品の用い方や楽しみ方も提案。
全15作家58点。

《衣替え》「工藝を我らに 2017」より
 松島巌,島崎柾成,畠山耕治
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《初夏の朝食》「第二次 工藝を我らに 2019」第一回展より
 十四代今泉今右衛門,内田鋼一
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