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2026年05月24日23:58

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演劇 『メアリー・ステュアート』/穂の国とよはし芸術劇場PLAT~1

5/21(木)、穂の国とよはし芸術劇場PLATでフリードリヒ・シラー(1759-1805)原作、ロバート・アイク(1986- )翻案の演劇『メアリー・ステュアート』(全5幕)を観る。翻訳 小田島則子、演出 栗山民也。

フォト

〈公演スケジュール〉
東京;PARCO劇場4/8~5/1=25公演
福岡;J:COM北九州芸術劇場5/9~10=3公演
兵庫;兵庫県立芸術文化センター5/14~17=5公演
愛知;穂の国とよはし芸術劇場PLAT 5/21~23=3公演
北海道;カナモトホール5/30~31=3公演
 全39公演

シラーがこれを書いたのは1800年。アイクの翻案と初演は2016年。200年以上の開きがあるが、劇空間は原作通り16世紀末のイングランドで、シェイクスピアの歴史劇を思わせるものの、言葉やテンポは現代風でキレが良い。

舞台は3面高い灰色の壁に囲まれた閉鎖空間。
幕毎に、ロンドンから離れて幽閉されているフォザリンゲイ城のメアリーの部屋、エリザベス1世のウェストミンスター宮殿(含む枢密院評議室)、そして、2人が初めてまみえるある荘園の中庭など、大道具はほぼそのままに移り変わる。
椅子の位置と置き方、射し込む光の角度や明るさの変化が、壁に映し出される2人と廷臣らの影をうごめかせ、その心理や運命を映し出す。

物語は、昔から語り継がれて誰も知る、エリザベス1世(1533-1603/若村麻由美)とメアリー・ステュアート(1542-87/宮沢りえ)の、王権,宗教,人間を賭けた孤独な魂の衝突で、最後はメアリーが断頭台への階段を上っていく。筋書きの基本に変わりはない。

同じ原作でドニゼッティ(1797-1848)作曲によるオペラ《マリア・ストゥアルダ》(*)のレポート参照。(2009.1.27記)
 (*)メアリー・ステュアートのイタリア語。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1064200221&owner_id=3341406&from=edit_diary_finish


2人の身悶えするような愛憎、悲憤、葛藤、加えて彼女らを取り巻く登場人物達の、権謀術策を駆使し、互いに騙し合い翻弄し合う姿には、観ていて心が抉られないでいない。

レスター卿(橋本淳)は寵愛を利用してエリザベス1世とメアリーの間をあざとく立ち回り、重臣バーリー卿(谷田歩)はメアリーの処刑を早期に実現するため、強硬に冷徹に動き回り、メアリーの幽閉を看視するポーレット卿(阿南健治)は展開を宿命として受け入れ、その甥でフランスから帰った若いモーティマー(木村達成)はカトリックにかぶれ、あさはかで一本気な情熱をもってメアリー解放を中央突破しようとする。
フランス国王の使者オーベスピーヌ(大場泰正)は、立場上、一時的にせよフランス王妃であったメアリーの立場を守護しようとし、老いた重臣タルボット(段田安則)は物事を偏らずに思索し、バーリー卿と対立する。
乳母ケネディ(犬山イヌコ)は、慈愛をもってメアリーに献身を尽くす。
第5幕になって登場するメアリーの旧臣メルヴィルは、彼女が心静かに天国に行けるようカトリックの神父として告解を聴き聖体拝領を行う。

それぞれの個性が、アイクの翻案と、栗山の演出と、宮沢りえ,若村麻由美他、役者らの繊細な演技によって見事に発揮された。
まだ早過ぎるのは充分承知だが、今年の演劇公演の上位5指に入るに違いないと個人的には思った。

(続く)
 
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