(続き)
東寺の宝物館は開館60周年を記念し、春季に続きこの秋も「東寺名宝展〜国宝 密教法具と金工品」を開催中。
・会期 9.20〜11.25
この館には膨大な量の国宝・重要文化財が収蔵されている。中でも有名な国宝《両界曼荼羅図》は、残念ながら出展されていなかった。
空海が唐から帰国する際に師の恵果(けいか)から授かった仏舎利,仏具の類は、真言宗として最高の宝だとされる。
宗教に無縁な私にはいまいち興味が湧かないのが正直なところだが(笑)。
仏像では、唐時代の中国の作(?諸説あり)《兜跋(とばつ)毘沙門天立像》(国宝)に惹かれた。
「兜跋」は、7~9世紀頃チベットにあった王国「吐蕃(とばん)」の訛だと言われる。北方の護法神。
昔日は平安京の羅城門にあったと伝えられる。
鎖を編んだ長套、宝冠は中国風。
台座では地天女が両手に2鬼婆を捕まえており、それを踏みつけているというのが、兜跋毘沙門天の共通スタイル。
北大門を抜けて蓮池の向こうには、東寺の一塔頭の位置づけである観智院(かんちいん)がある。
下はカモが憩う蓮池と、院の玄関(庫裏)。
本院は1358~59年に創建、多くの学僧を輩出し、東寺のみならず、真言宗全体の勧学院(教育機関)となった。
1605年に再建された客殿(国宝)は入母屋造り、軒唐破風をつけた桃山時代の書院の典型。違棚、棹縁天井、竹の節欄間などがある。
客殿の広縁から眺めた枯山水の前庭は「長者の庭」と呼ぶ。
客殿と本殿の間にある「四方正面の庭」。
本尊は本堂にある五大虚空蔵菩薩坐像(重要文化財)。右から、獅子,象,馬,孔雀,迦楼羅に座す珍しいもの。
唐の長安 青龍寺にあったものだが、847年に入唐した僧 恵運が請けて持ち帰ったもの。
すらりとした体形は晩唐期の彫刻様式を偲ばせる。
本殿裏手には二間の書院があり、その床の間と襖全面に日本画家 浜田泰介(1932- )による《四季の図》(2023)。
書院の更に奥に連なるのは茶室「楓泉観」。その窓から観た露地(茶室に付随する小さな庭)。
北大門から東寺境内に戻ると、そろそろ陽も傾いて、襟元を吹き抜ける風も冷たくなってきた。
さて、東寺の秋季特別公開では紅葉の夜間ライトアップが売りだが、私は時間の制約があり、愉しむ訳にいかなかった。
せめて、五重塔周辺の昼の紅葉の写真を最後につけておく。
紅葉が映るのは瓢箪池。
ライトアップをご存知で、レポートにそれを期待していた方がいらっしゃったら申し訳ない。
来たのと同じ油小路を歩いて京都駅へ戻り、18:00過ぎのひかりに乗って浜松への帰途に就いた。
おばんざいで一杯呑みたかったけれども、駅構内で柿の葉寿司とビールを買い、車中食。
家に着いたのは21:00頃。
1日で13,300歩、よく歩いた。
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