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2025年03月22日11:00

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山下裕賀メゾソプラノリサイタル��

「続き」

後半はスペインに関係する曲を集めている。
スペイン民謡を基にした曲には、こぶしの利かせ方など、日本の歌謡に似た側面もあって興味深い。

中で、マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946)の《7つのスペイン民謡》は、1914年、第一次世界大戦でパリを離れる前に作曲された。
スペイン各地の民謡や舞踊をベースにしていて、激しく伝統的なリズムで踊る曲と、静かにしっとりと歌う曲が入り混じる。
本曲は、のち様々な楽器と編成用に編曲されている。
山下の声は色彩豊かで、ノリも良く、聴いていて体が動かされる。丸山の伴奏も実にカッコイイ!

ジョルジョ・ビゼー(1838-75)のオペラ《カルメン》(初演1875)も場はスペインだ。歌詞はフランス語だが。
第2幕、リリャス・パスティアの酒場でカルメンの〈ジプシーの歌〉は、カスタネットやタンバリンの伴奏で、トラララ・トラララと次第にテンポを上げ、激していく。
「歌のリズムに乗って、燃え上がり、羽目を外し、激しく興奮して、最高潮に上りつめ、感情が溢れだして止まらない!トラララ!…」
花形闘牛士エスカミーリョが登場し「闘牛士の歌」を歌ってカルメンに言い寄るのはこのあと。物語は思ってもみない悲劇へと展開していく。

最高潮に盛り上がってリサイタルはエンド。
何しろ300人しか収容できない小さなホールなので、熱は一度に高まる。
ちなみに、本リサイタルは前売り完売で、当日券はなかった。

アンコールでは同じオペラから〈ハバネラ〉を歌い、更には2007年浜松市が政令指定都市になった時に作られた新・浜松市歌(作詞 林望/作曲 伊藤康英)を歌うサービス。客らは皆大いに喜んだ。

このあと、アフタートークがあり、楽しい話を様々聴く事ができた。
当コーナーは写真撮影可との事で、1枚撮らせてもらった。

フォト

何故オペラ歌手になろうと思ったのか、何故メゾソプラノを選択したのか、との客の質問には、オペラでは自分とは違ういろんな人間になる事ができる。更に、メゾソプラノを選んだ訳も、声域として山下はソプラノでもいけたのだが、冒頭のプロフィールでも紹介した通り、メゾはいろんな男役(ズボン役)にもなれる!この愉悦は他では味わえない、と。

最後、もう一度ピアノの丸山が登場し、《うぬぼれ鏡》(作詞 小黒恵子/作曲 平井康三郎)を歌う。
「まあ、今朝のわたし、なんて美しいんでしょう。
鏡をみつめて、微笑んで、花の香りの化粧水、手のひらでたたく心地よさ。
気づかなかったホクロでさえ、なぜかとってもチャーミング。うふっ!」
元気が出ない時、自信がない時はこれを歌うに限る、と言って、明るく笑った。

終演後、ロビーでサイン会も行われた。
まだCDも出ていないので、サインは何処へでもOKとの事。
私も列に並び、チラシにサインをして頂いた。
とうに気づいていた方もいるかと思うが、最初に掲示したチラシがそれである。かわいらしいサインがしてある。頭のところが「ひ」、向かって左耳が「ろ」、右耳が「か」になっている。

サインを貰った時のやりとり、
私「是非フィガロをやって下さいね」
山下「はい、ケルビーノは是非やりたいです!」
私「フィガロはやっぱりケルビーノですよね!その時を愉しみにしています」
山下「ありがとうございます」。

メゾとしてどんな役柄を演じていくか、今後が大いに期待される。


[参考資料]
〈YouTube〉
團伊玖磨《三つの小唄》
 演奏 薬谷佳苗(S),関口康祐(Pf)
 収録 2012/滋賀県高島町ガリバーホール
ブラームス〈ことづて〉
 演奏 伊原直子(A),森島英子(Pf)
 収録 2020/スタディオ・アマディウス
同〈私の愛は緑〉
 演奏 池野博子(Ms),平川寿乃(Pf)
同《ジプシーの歌》
 演奏 田中淑恵(Ms),中井恒仁(Pf)
 収録 20016/東京文化会館小ホール
〈naxos〉
オブラドルス《エル・ビート》
 演奏 エリー・アメリンク(Ms),ルドルフ・ヤンセン(Pf)
ファリャ《7つのスペイン民謡》
 演奏 ビクトリア・デ・ロスアンヘレス(Ms),不詳(Pf)
 共に収録時期不詳。
 
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