(続き)
◆第1章「NO MORE WAR」
《NO MORE WAR》(1967)
先に書いた米誌「AVANT GARDE」が行った反戦ポスターコンテストの入選作。
シルクスクリーン使用。人物モチーフはマリリン・モンローとツイッギー。
ここで言う戦争は太平洋戦争でなくベトナム戦争。
◆第2章「虚像未来図鑑」
ヴィジュアル・ブック『虚像未来図鑑』(1969)
写真家 原栄三郎との共著。田名網のイラストとコラージュ満載。
60年代の東京のアンダーグラウンド・シーンを虚像の世界にまとめた実験作。
映画専門誌「月刊イメージフォーラム」(1980〜87)。
病気による中断以外全て田名網の表紙デザイン。
◆第3章「アニメーション」
《Good-by Marilyn》(1971) 映像素材
◆第4章「人工の楽園」
《蓬莱山に百鶴が飛ぶ図》(1986) 4連図
田名網は1980年、中国旅行で見た自然に感動、古代中国、不老不死の神仙思想に興味を持った。
風に流される木の枝がまるで生き物のようだ。
《エレファントマン》(1989) FRP
《昇天する家具》(2004) 木,プラスチック
《蓬莱山に百鶴が飛ぶ図》の第3枚目に描かれた建造物が立体化されている。
◆第5章「記憶をたどる旅」
ドローイングによる、自身の脳裏に沈殿する「記憶の発掘」「記憶の検証」「記憶の定着」の試み。
《生命誕生》シリーズ(1995-2000)
亀、耳、カタツムリ、サイ等が繰り返し描かれる。
イソギンチャクの触手のように蠢いているのは精子か。
《考える愉しみ》(1991)
ヨーロッパの古典絵画(デューラーやフォンテーヌブロー派等)を引用し、生と性、死、その変容と愉悦。
◆第6章「エクスペリメンタル・フィルム」
1970年代以降、試みが続けられた田名網の実験的映像。世界の映画祭でも上映された。
田名網にとって映像制作は、原体験の視覚化、また変容し続ける記憶を留めておくための手段でもあった。
詳細は略す。
◆第7章「アルチンボルドの迷宮」
幼少時の田名網の空襲の記憶。頭上を飛ぶB29が、いつの間にか急降下、迷路のような路地に姿を消す。
迷路や迷宮への偏愛を、イタリア・ルネサンスのジュゼッペ・アルチンボルド(1526-93)のイメージを借りて表した。
《アルチンボルドの迷宮》(2024) 木,ドローイング他
アルチンボルド作《ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ2世像》のイメージを変容。
〈参〉アルチンボルド《ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ2世像》(1590頃/スウェーデン・ウプスラ スコークロステル城所蔵)
背後に作られた田名網のアトリエの一部を再現した小屋に、所狭しと貼り付けられた彼の色指定原稿(2005-22)より。
(続く)
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