本●「悪いうさぎ」

本●「悪いうさぎ」（文春文庫）
若竹七海・著

昨日今日で一気読み。
女探偵・葉村晶は、とんでもなく痛い目に逢いながら、不良女子高生のミチルと出会ったのが運のつきだった。
葉村は行方不明になったミチルの女ともだちを探すことになる。
どうせ家出か“葉っぱ”か女子高生風俗絡みのトラブルだろうとおもっていたら・・・・

葉村晶シリーズの長編。
行方不明の女子高生捜しというメインストーリーに、女友だちに降りかかった災難に気を揉み、いつのまにか葉村のアパートに女子高生のミチルが住みついたあげく、ゲイの大家さんになついてしまったりといったサブストーリーがにぎやかだ。
しかし、そこは葉村晶シリーズ、しだいに悪意に満ちたダークな世界へとなだれ込んでいく。
しかも、葉村を見舞うあまりに苛酷で絶望的な災難に、これまでのタフな女探偵ぶりをかなぐり捨てて、彼女が「助けて！！」と泣きじゃくるという展開には、驚いた。
いつにも増して読みごたえのある１冊だ。

今年の２月から読みはじめた葉村晶シリーズも残すところ２冊、飴玉をしゃぶるように楽しみたい。