映画日記『ハンテッド　狩られる夜』

２０２４年３月３日（日）

『ハンテッド　狩られる夜』（２０２４年）
監督：フランク・カルフン
矢場町・センチュリーシネマ

深夜の田舎道を走る１台の車には、訳ありなカップルが乗っていた。
ところが運悪くガス欠なってしまい、目に入ったガソリンスタンドに立ち寄ることに。
男は給油、女はコーヒーを飲むために併設のコンビニみたいな店に入る。
ところが、店員が見あたらない。どうなってんだと女がおもった瞬間、彼女は狙撃され腕を負傷してしまう。
さらにスマホは銃弾で破壊され、男は射殺されてしまう。
女と狙撃犯との、長い夜が始まった・・・・

ネットの映画紹介番組で、「拾いもの」という評価だったので見ること。
１０人にも満たない登場人物と、上映時間９５分の９９％がガソリンスタンドだけが舞台という低予算映画。
それなのに、最初から最後までピンっと張った緊張感が続く。
あきらかにトランプとその熱狂的な支持者たちと、民主党およびその周辺のリベラル派との対立という図式を、暗喩ではなく露骨に描いているのが面白い。
もちろん狙撃犯がトランプ派で女がリベラル派だ。
話としては、リベラル女がトランプ派の男を「あんたの顔なんか見たくもない！！」と粉砕するようなものだが、痛快ではなかった。
トランプ派とリベラル派のいがみ合いが、次の世代になんらかの禍根を残してしまうのではないかという、不安のなかで映画が終わる。
細かいところでは「うん？」となる所もあるが、たしかに「拾いもの」だ。