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2023年10月28日21:16

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映画日記『愛にイナズマ』

2023年10月28日(土)

『愛にイナズマ』(2023年)
監督:石井裕也
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2

松岡茉優扮する新人女性監督が自らの訳あり家族をモデルにした劇映画を撮ろうとしていた。
ところがプロデューサーやベテラン助監督と軋轢が生じたため、企画自体が他人の手に渡ってしまう。
悲憤慷慨の監督はこのままではとうてい引き下がれない。
そこで、彼女は実際の家族を集め、ドキュメンタリー映画として作品を完成させようとするのだが・・・・

予告編を見て、てっきりコメディだろうとおもってチケットを購入した。
本作は全部で7つのパートに分かれていたが、最初のふたつがまったく面白くない。もたもたとした展開に怒りすら覚える。
事実、私が視認しただけで3人が退場し、真後ろのオッサンが大きないびきをかき出した。
ところが、第3章になりしょぼくれた父親の佐藤浩市や、チャラい長兄の池松壮亮(Good!!)に、次兄で童貞の若葉竜也が登場してからは、ちょっとしたドンデン返しが次々と起こり、爆笑シーンがあったり、胸キュンとなったりで、めちゃ面白かった。
石井裕也監督といえば、『船を編む』(2013)や『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017)といった、いたって端正な映画を撮ることができる人だ。
いっぽうで『ハラがコレなんで』(2011)や『生きちゃった』(2020)のように、あきらかにバランスの欠いた作品を、ときたま衝動的に撮ってしまう監督でもある。
本作もあきらかにバランスを欠いた作品だ。
しかし、異様なまでの「家族」への執着と、どんなことがあっても幸せになってやるんだ!!という力強さは、先の短い私のような爺さんにも響くものがあった。


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