本●「写真集　若尾文子」

本●「写真集　若尾文子」（ワイズ出版）
「写真集　若尾文子」製作委員会

名古屋市の鶴舞図書館で借りてきた。
数年前に行われた若尾文子の特集上映に合わせて刊行されたもの。
写真集といっても、有名カメラマンのポートレートではない。
若尾文子が大映時代に出演した作品の、撮影時に撮られたスナップ写真やスチル写真で構成されている。
映画ファンとしては、こちらのほうがありがたい。
スナップ写真のなかには、増村保造はもちろんのこと、溝口健二、今井正、山本薩夫に小津安二郎といった名監督の顔も見える。
なかでも、『女は二度生まれる』（１９６１）や『雁の寺』（１９６２）の川島雄三監督の姿は貴重だ。
ロケ現場のスナップもある。
その中の１枚、市川崑監督の『あなたと私の合言葉　さようなら、今日は』（１９５９）のロケ現場、人だかりを整理するために駆り出されたとおぼしきお巡りさん（だとおもう）が、まぢかで見る生の若尾文子によっぽどうれしかったのか、仕事そっちのけで笑顔になっていた。
巻末に、スチル写真（大映作品のみ）付きで、１５９本におよぶ若尾文子の出演作リストが載っている。
見た作品を数えてみたら４４本だった。
未見の中には、『悶え』とか『帯をとく夏子』に『不倫』といったそそるタイトルがある。なんとか５０本に届きたいものだ。