8/27(日)、静岡国際オペラコンクールのプレイベントが静岡文化芸術大学の講堂で行われたので聴きにいってきた。
3年毎に開かれている静岡国際オペラコンクールは今年が第9回になる。
本来は2020年に開催される予定だったが、新型コロナの感染拡大のため今年に延期となっていた。6年振りである。
スケジュールは以下の通り。
・第1次予選 10/28〜30
・第2次予選 11/1〜2
・本選 11/5
会場は何れもアクトシティ浜松大ホール。
応募者は今回に限り36歳迄。原則は33歳迄だ。
これは、上に書いたように、3年前の2020年コンクールが延期されたための特別措置である。
6/13のプレス発表によると、33ヶ国から271人の応募があったとの事。(申し込み期限は今年5/1)
私は、今回は本選のチケットだけ購入してある。
オペラコンクールの関連イベントはいろいろあるが、今回私が行ってきたのは、過去のコンクールで入賞した歌手を招いての小コンサートである。
出演は以下の通り。
・吉田珠代(ソプラノ)
第6回コンクール第2位(最高位)+三浦環特別賞
…2006年文化庁新進芸術家留学生としてボローニャへ、2008〜10年ローム音楽財団特別研究生としてミュンヘン,ウィーン留学。現在は二期会会員。
実は10月下旬出産予定との事で見事なお腹だった。
・城宏憲(テノール)
第8回コンクール三浦環特別賞
…2010年文化庁新進芸術家海外研修生としてジェノヴァ留学。現在は二期会会員。
本年9〜10月、二期会創立70周年記念公演/シュトゥットガルト州立歌劇場提携の《ドン・カルロ》でタイトル・ロールを演ずる。(東京文化会館,よこすか芸術劇場,札幌文化芸術劇場)
・�眦鎮匚�(バリトン)
第4回コンクール三浦環特別賞
…2004年渡独、2007年〜キール歌劇場専属歌手、13年60役余の主役を務めキール市より宮廷歌手の称号授与。2019年《紫苑物語》(西村朗)世界初演での宗頼役は印象深い。
2020年〜カールスルーエ・バーデン州立歌劇場専属歌手。
・小埜寺美樹(ピアノ)
第2〜8回、本コンクール公式ピアノ伴奏者。
…新国立劇場コレペティトール、オペラ制作音楽スタッフ、研修所講師兼務。
加えて、ふじやまのぼるによる解説が付いた。
ふじやまは、本オペラコンクールブログ「トリッチ・トラッチ」(うわさ、おしゃべり等の意)の執筆者だとの事。
私は初めて話を聞く。
〈プログラム〉
第1部
《ドン・カルロ》 (ヴェルディ)〜イタリア語5幕版(*)より
・第1幕第1場 カルロのアリア〈私は彼女を見た〉城宏憲/小埜寺美樹
・第2幕第1場 前奏曲 小埜寺美樹
・第2幕第1場 カルロとロドリーゴの二重唱〈ああ、われわれの魂に〉
城宏憲,�眦鎮匚�/小埜寺美樹
・第4幕第2場 ロドリーゴのアリア〈私に最後の日が〉�眦鎮匚�/小埜寺美樹
(*)ふじやまのぼるの解説。
…《ドン・カルロ》は多くの版がある。パリ・オペラ座の依頼で作曲したので、グランド・オペラによるフランス語4幕版が最初に作られた。その後、イタリア国内での公演のため、イタリア語版が作曲された。イタリア語版にも4幕版,5幕版がある。
《ドン・カルロ》の物語の場はスペイン。
ヴェルディは生涯に26本のオペラを作曲しているが、イタリアを舞台にしているものは意外に少なく、9本。
今回のプログラム、他のオペラは敢えて触れていないが、全て原典がイタリア語である。
《蝶々夫人》(プッチーニ)より
・第2番幕 蝶々夫人のアリア〈ある晴れた日に〉吉田珠代/小埜寺美樹
…ふじやまのぼるの解説。
オペラの原作はアメリカの弁護士・小説家ジョン・ルーサー・ロング(1861-1927)の短編小説『マダム・バタフライ』。
原作では蝶々夫人は自殺していない。自殺する事にしたのはプッチーニ。彼の女性の好みだろう。
ヴェルディと同じカウントをすると、プッチーニは全作品12本のうちイタリアを舞台とするものは3本のみ。
〜休憩〜
第2部
《仮面舞踏会》(ヴェルディ)より
・第1幕 前奏曲 小埜寺美樹
・第3幕第1場 導入 レナートとアメーリアの二重唱 �眦鎮匚�,吉田珠代/小埜寺美樹
・第3幕第1場 アメーリアのアリア〈私は死にましょう〉吉田珠代/小埜寺美樹
・第3幕第1場 レナートのアリア〈お前だったのか、彼女の心を汚した奴は〉
�眦鎮匚�/小埜寺美樹
・第3幕第2場 リッカルドのアリア〈永遠に君を失えば〉城宏憲/小埜寺美樹
…ふじやまのぼるの解説。
オペラの台本は、スウェーデン王グスタフ3世が仮面舞踏会の場で暗殺された史実を題材にしていた。
当時はイタリア独立運動(リソルジメント)が激化していた時代で、且つ、イタリア民族主義者がナポレオン3世暗殺未遂事件を起こした事もあり、検閲が大変厳しかった。
ヴェルディと台本作者は、物語の場をアメリカにし、国王をボストン総領事に変更して、何とか上演を可能とした。
アンコール
《椿姫》(ヴェルディ)より
・第1幕第1場 アルフレードとヴィオレッタの二重唱〈酌み交わそう、喜びの酒杯を〉
城宏憲,吉田珠代,�眦鎮匚�/小埜寺美樹
…通称〈乾杯の歌〉。�眦弔老化位髻�
訓練された人の声は最も素晴しい楽器だ、それを改めて確認した小コンサートだった。
またどんな逸材が登場してくるか、コンクール本番が愉しみである。
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