半世紀以上の人生をサラブレッドに捧げているのに、これまで日高・浦河へ立ち寄ったことがない
特に日本ダービーでスキルウィングの凄惨な死をテレビで見てから、競走馬という人間よがりな運命を背負って生まれてきた彼ら、彼女らに、感謝と謝意を告げたい。
そんな意識が膨らんでいた。
競馬というギャンブルよりも、サラブレッドというお馬さんが好きだから
千歳空港からレンタカーを調達して、いつも(札幌)とは違うハンドルを切って、目指すはサラブレッドの町、浦河
まだ目的地への5分の1も進んでいない道道59号線。
両脇に野草をついばむサラブレッドの姿を見つけて、慌ててUターンして牧場際で親馬・仔馬にあいさつを交わす。こののちに、そんなことをしなくても、飽きるほどのサラブレッドに会えるというのに、この時はまだそれを知らない。
《厚真神社》
2018年に起きた北海道胆振東部地震で厚真町。
その中心にある厚真神社も、本殿・鳥居・社務所、すべての建物が全壊判定を受けた。
昨年5月に復旧復興工事を終えて、1年が経つ。
ようやくの奉拝。遅くなりました。
社務所に上皇・上皇后、両陛下が笑顔で沿道に応える写真が掲示されていた。

「両陛下、こちらにもいらっしゃったのですか?」

「いや、ここには来られなかったけど、大地震のお見舞いに町に来ていただいてね」
本州の人間(←おいら)にとって胆振地方というのがどこなのか、或いは札幌は胆振に入るのか。そんなことも知らないで台風や地震情報を聞いていたけれど、今日の訪問で理解した。札幌は石狩支庁。胆振支庁は苫小牧や室蘭、そして人間よりもお馬さんの頭数の方が多いと言われている日高支庁とか。
道央でさえ、こんな感じ。全道を理解することなどとても難しい。
ランチタイム《くろべこ》
通り掛かった地産地消らしきステーキ屋にクルマを停める。
水商売も酒にも縁がない男だから、昼間の贅沢は許容範囲。
脂のたっぷりと乗った《ひらとり特製和牛サーロイン》
舌にステーキを乗せた途端に溶けてしまうので、ちょっともったいない。
《義経神社》
その平取町に鎮座する義経神社は、由緒書きによると「平泉で自害したのはニセ義経で、実は彼は生き延びて、ここ平取町でアイヌ人として生き続けた」みたいな、かなり本気の大ウソつき。困ったものだ。
理由(わけ)あって御朱印は後日公開。このシステムも、日本ならでは。
平取から、少しだけ無料高速・日高道に乗って、いよいよ新冠へと初見参
《サラブレッド銀座》
冗談のような通りの名前、サラブレッド銀座。
しかし、この直線道路を走っていくと、もう車内で歓声しかあがらない
右を見ても、左を見ても、牧場だらけ。そして、その広大な牧場に、サラブレッドたちが放牧されている。牡馬や牝馬たちは、それぞれに野草を食む。
《優駿メモリアルパーク》
堂々たる優駿スタリオン。ほかの牧場とは、一味も二味も佇まいが違っている。
正面に銅像をたたえ、もはやオグリキャップ博物館。
オグリキャップ関係のすべてがある。
大川慶次郎が「ライアン」と2度叫んだ有馬記念。
エンドレスでレースシーンと大川慶次郎の悔し紛れの解説が流されていた。
この時、オグリキャップ4番人気。勝つと知っていれば有り金勝負をしていたのに
ナリタブライアンのぬいぐるみ、昨年の川崎記念を制覇したチュウワウィザード、そして墓碑はユキノビジン
昔、ゆき、という女の子がいて、ユキノビジンが出走するたびに、願いを込めるように単勝を買っていた。
もう50歳を超えるぐらいになるだろうか。彼女の願いは届いたのだろうか。
優駿メモリアルパークが思いのほかあれだったので、予定時間が残っている。
いくつもある牧場の中で、なんとなく開放的だった村上牧場さんにクルマを停めて、サラブレッドを口笛で呼び寄せる。
馬好きを知っているのか、知らないのか(←知らない)、神奈川からやってきたおっさんからニンジンをいただこうと、たくさんの馬たちがやってきた。
しばらくして牧場の若いもんがやってきた。

「見学ですか?」
笑顔で問いかけてくれる。
セリに参加するから下見だ。というウソもつけず、

「サラブレッドが好きなもので、しばらく遊んでもらいました」

「みんな1歳馬なんです。柵のこちらがオスで、向こうがメス」

「すべて競走馬に?」

「はい。セリにかけられてオーナーが決まります」
お互いに親しみある笑顔で交わした会話が心地よかった。村上牧場、記憶しておこう。
このあと、新冠の道の駅に寄って、エピソードを残すけれど、それはまた別の話。
17時を前に150�卷名紊靴道ニ擇悗燭匹蠱紊�
ホテルにチェックインすると、部屋に入るやいなや、アズスーンアズでスマホから鈍い音が鳴り出した。
”おっ、久しぶりに黒岩恥事がなにか仕掛けたな”と、彼の復帰を喜んだのも束の間、
「ジシンデス、ジシンデス…」と siri が唸っている。
5秒ほどすると、小さな横揺れがしばらく続き、体感では震度3.
ホテルからなにか案内があるわけでもなく、こちらは大浴場へと行く準備をしながらテレビをつけてみた。
『千歳、厚真、浦河 震度5弱』…全部、通ってきた町だ。
もし、あと30分ほど長く新冠に滞留していたら、おそらく震度5を体験し、高速の日高道が通行停止に遭遇していたはず。そうなれば、いま、こうして mixi をアップすることすらできやしない。
地元のニュース速報では、大きな被害はなさそうだけれど、厚真神社のおばあちゃんや、浦河のサラブレッドたち、怖くなかったかな
(つづく)
■北海道で震度5弱の地震 津波の心配なし
(日本気象協会 - 06月11日 19:06)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=174&from=diary&id=7446520
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