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2023年05月01日21:05

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映画日記『生きる LIVING』

2023年5月1日(月)

『生きる LIVING』(2023年)
監督:オリバー・ハーマナス
赤池・TOHOシネマズ赤池

黒澤明監督『生きる』(1952)のイギリス版リメイク。
1950年代とおもわれるロンドンのアーカイブ映像が流れる冒頭から引き込まれた。
本作を見て、人間はどう生きるべきなのか?という、根源的な問いかけをするオリジナルの偉大さを知る。
あらためて思うに、敗戦から7年後に撮られたオリジナルの『生きる』には、せっかく命拾いした人生をこれからどう生きていくのかという問いかけが根底にあったような気がする。
ただし、志村喬扮する渡辺勘治の生き方に共感しつつも、ラストで書類の山に埋没していく日守新一の姿に、戦争という重しがなくなったものの、真摯に生きていくというのは容易ではないという諦念みたいなものがあった。
いっぽう、『生きる LIVING』には日守新一の役にあたる新米の役人には、さほど諦念を感じることなくエンドになった。
それは、オリジナルでは小田切みきが演じていた、役所から転職していく溌剌とした娘さんと新米の役人が恋仲になるというアレンジが付け加わっていたため。
たしかに、あの元気な娘さんといっしょなら、一度は「あの・・・」と言葉を濁したとしても、その次、あるい次の次には、保身だけのやる気のない上司に向かって反論するはずだ。
主人公役のビル・ナイが死期間近の焦燥と、一転して決然と「生きる」ことへと邁進する姿を、抑えた芝居で演じきる。見事なものだ。

ところで、本日の映画館「TOHOシネマズ赤池」は初めて入った。
10数年前から、私が住む愛知県内の映画館を全部制覇しようと思い立って、あちこち出かけているが、なかなか進まない。
本日、「TOHOシネマズ赤池」を終え、残すところ4館となった。
ここまできたら、夏までには決着をつけたい。


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