映画を見ない日の出来事３７６

映画を見ない日の出来事３７６

朝からの雨で出鼻をくじかれた。
外出をせずに終日家でぶらぶらしてた。
途中まで読みすすめた山本周五郎の短編集「日日平安」を読了。
いやあ、面白かった。
マイミクさんが山本周五郎を読まないとは、人生を損してるとおっしゃっていたが、たしかにその通りだ。
遅まきながら、山本周五郎にはまりそう。
たかだか１冊を読み終えたぐらいで偉そうなことは言えないが、とにかく彼の文章は読みやすい。
観念的なところがほとんどなく、具体的な描写を積み重ねていくスタイルだ。その具体的な描写が頭のなかで次々と映像になっていく。
つまり、とても映画的なのだ。
たとえば、色悪にみついだあげく、とことん落ちぶれちまった娼婦が、これまでの苦界人生で初めて男の純情に触れる一瞬を描いた「ほたる放生」の、いくどとなく登場する螢の青白い光の明滅の描写などは良い例だ。
「若き日の摂津守」の始終よだれを垂らしていた愚鈍な若き藩主が、一閃して決然とした賢君になる場面も、映画の一発逆転劇そのものだった。

ということで、存分に山本周五郎を楽しんだ一日だったが、最後に腹立たしいニュースが待ち受けていた。
池松壮亮がなんと私が愛する河合優実と熱愛中というではないか。
佐久間由衣をかっさらっていった綾野剛に続き、池松壮亮が出てる映画なんか金輪際見ないぞと誓った・・・・のだが、じつはそんなこととは露知らず、きょうの朝、金曜日封切りの『せかいのおきく』のチケットを予約していたのだ。
なんたる不覚！！！
まあ、今回は黒木華に免じてゆるしてやろう。